アナタの事、好きだけど愛してはいない (ページ18)

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9話ダークマターページ18

「四ツ葉、アナタにも聞きたい事があるので座ってくれませんか？」
「俺に？と言うかこの写真…誰？」

私の横に四ツ葉が座る。四ツ葉はリリイさんのスマホの写真が気になった様で不思議そうに見る。

「怠惰の主人になった少年です」
「兼、私のクラスメートで友人の…あ、あと文化祭で一緒に調理係でもある城田真昼くん」
「調理係？お前が？ダークマター作ってないだろうな？」
「…作りましたが、何か？」
「「……」」

黙るなよ吸血鬼2人、畜生。
嫌になってきたのでプイッと顔をそっぽを向けてやった。四ツ葉は「ごめんって」と謝ってくる。

「ふんっ、良いもん。そのダークマターは私を立候補した子に押し付けたしっ」
「…。…それって男？」
「へっ…？そこ重要？」
「ふふ、どうでしょうねー」
「……」

四ツ葉がムスッとしてしまった。
因みにあのクッキーを食べた綿貫くんの感想は『しょっぱくて苦くて砂みたいな感触』らしい。そんな四ツ葉の様子を見てリリイさんはクスッ… と笑う。

「何笑ってんだよ…」
「いえ別に？ Aさん？四ツ葉にも是非クッキーをあげて下さい」
「ダークマターになるかも…」
「構いません」
「おい」

アナタなら食べるでしょう？とリリイさんは笑う。そして、さて…と咳払いをした。

「Aさんのダークマターで話がずれてしまいましたが…」
「リリイさん…何気に酷い…」
「まぁまぁ。私が聞きたいのは…私は兄さんに接触してみますが…四ツ葉。アナタはコレからどうしますか？私たちを“表”でサポートして頂けませんか？」

四ツ葉はピクッ…と反応する。頬杖を付いて考え込む。が、答えが出ずに黙ってしまった。

「…ではAさん。アナタはどうしたいですか？アナタの決めた事なら四ツ葉も着いていくでしょう」

リリイさんは私に尋ねる。
“表”…それは他の真祖と顔を会わせると言う事…。でも、既に私の答えは決まっていた。

「そうですね…。私は“裏方”って言うポジションが好きなので、暫くはこのままで良いかと…」
「…分かりました。では続けて“裏でのサポート”をお願いします。でも、いつかその日が来るかもしれませんが…」
「そん時はそん時だ」

黙っていた四ツ葉が口を開く。
リリイさんは「了解です」と頬笑む。

「何か有れば私を頼って下さいね。2人の為なら私は一肌脱いで…」
「脱ぐなっ」
「脱がないで下さいっ」
「息ピッタリ、仲が良いですねー」

こんな事で仲の良さを確認したくないな…。