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つわりリターンズ。4 ページ35

もし、少しでも余裕があれば

「大丈夫とか絶対ウソでしょ(笑)」
 
とか、何かしらは言い返してくるはずなAだけど


少しの沈黙のあとAから出てきた言葉は

「…はきそう…」

なんて、めちゃめちゃ弱々しいもので。


肩貸してやってトイレまで連れてってやると

座り込んだ途端にもどし始めてしまう。


いざこの状態のAを目の前にすると
俺が出来ることと言いますのは

背中さすってやること
髪の毛結んでやること
俺も一緒に気持ち悪くなること

の、2年前と何らかわってない上記3点でありまして。


今日これからどうすれりゃいいんだ…

俺は30分後には家をでなきゃいけない…

最悪Aだけならまだしも姫たちがいるわけで…

この状態のAに姫たち任せられんよなぁ…


なんて、ひたすらAの背中さすりながら

俺までダウンしないことに意識を集中させすぎて
まるで使い物になってない気がしないでもない
脳みそをフル回転させていると


ふー、と深呼吸したAが便器から顔を上げて立ち上がろうとする。


「A…?ちょ、まだ座っとけって…」

「…オムツ…替えなきゃ…」

「んなの俺やるから。とりあえずソファー行こう。」


ゆっくりソファーまで運んでやったAの顔色はさっきよりはマシ。


西武ドームの医務室の時ぐらいだな…なんてよぎってしまった俺はしんどい。


「ひろくん、何ともないんじゃないの?(笑)」


「え…?なんともないよ?」


「そんな顔色でよく言うわ(笑)ひろくん、お仕事頑張ってきて。私は大丈夫だから。」


「…もう…自分のこともうちょっと心配しろよ…」


「ちょっと血の気引いただけだから大丈夫。前回のいつ何してても気持ち悪いだけじゃないだけマシだし、今日まで吐かないで済んだのも感謝しなきゃ。」


「いや…でも…」


「育児に休みはないの、それを100も承知で3人目作ろうって言ったのは私なんだから!無理はしない。ダメだなと思ったらママ呼ぶ。ひろくんにも連絡する。だから!ひろくんはお仕事行ってきて!ママそんな苦しめないから大丈夫だよパパって、ほら、お腹の中からも言ってる」


「…そっか。」


まだ胎動も感じられないお腹を愛おしそうに撫でながら

お腹の子が手振ってるよって言わんばかりに

ばあば〜いって俺に手振ってくるA。



「俺は世界一のお嫁さんゲットしたなぁ」


なんて、初めて面と向かってAに伝えてしまった。

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てしゃ(プロフ) - むむそさん» 私の妄想&理想の北山パパの物語にお付き合いくださり、そしてコメントまで頂き、ありがとうございます:)まだまだ出産まではかかる予定ですので、これからもお付き合い頂ければ幸いです…! (2021年9月10日 4時) (レス) id: 4ccb323a7e (このIDを非表示/違反報告)
むむそ(プロフ) - パパしている北山くん、めちゃくちゃ好きなのですごく好きな作品です…!!大変かと思いますが、更新楽しみにしています! (2021年9月10日 0時) (レス) id: 4e14cc707d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てしゃ | 作成日時:2021年8月18日 3時

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