父親になってしまった俺。part2

コウノトリ速達便。1 ページ28

結婚した直後からもういつでもいいよね、なんて言っていたけど

Aが言ったようにひなとつむをコウノトリが運んで来てくれるまでは半年ぐらいかかったうえに

出産後、生理周期もまだまだ不規則で。


3人目欲しい、とはもちろん2人とも心から願っているものの


まぁ1回じゃいかないよなぁ、なんて、これまた2人で思ってたから


「2人が2歳になるまでにはうちにおいで〜ゆっくりでもいいよ〜」


なんて、まだ誰も入ってない空っぽのお腹に話しかけたのが姫たちの誕生日当日


だったんだけど。



Aの体調に異変が現れるまで
それからたった1ヶ月しかかからなかった。



そろそろツアーの準備本格的に始まって時間とれなくなるから

ちょっと遠出するかって久々に車を出した日。

いつもよりデカめの公園連れてってやって

少し小走りぐらいできるようになったひなとつむは

シャボン玉をひたすらかけ回して帰りの車は爆睡。


すやすや眠ってる2人に助手席からブランケットかけてやったAは

前に向き直るといつものように寝にかかる。


もう1人我が子が増えるなら家より先に車買わなきゃダメだなぁ…いつきてくれるかなぁ…


なんて、3人の寝顔を信号に引っ掛かるたびに確認しながら妄想だったり考え事して

家に着いて3人を起こすまでの北山家ガールズ専属運転手タイムがわりと好きな俺なんだけど


この日は珍しく、家着くよりだいぶ前に自分で起きたA。

そして俺に速攻話しかけてきた。


「…ひろくん…どっか止まって欲しい……きもちわるい……」

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