目が、合った ページ2
その日はイギリスじゅうのすべての学生にとって待ち侘びた日だったと言っても過言ではないだろう。少なくとも、アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドアは、生を受けて11年間このかた、この日を一等強く待ち望んでいた。
前日までに仕上げたすべての必要品は、下ろし立ての上等な皮のトランクに収められ、アルバスの自室で今かいまかと出発を待ち侘びていた。そしてそれは部屋の主も同じで、まだ日が登らない朝の一歩手前だというのに、ベットから体を起こして窓の外を眺めていた。
その瞳には、一概に期待だけでは済まされない不安の色が浮かんでいた。
「ぼくは、上手くやっていけるかな……」
思わず、といった様子で落とされた胸の内の不安は、朝霧とともに冷えた空気に溶けていった。
＿＿＿＿＿＿
最低限の別れの挨拶と熱いハグを弟と交わした後、「アリアナを頼んだよ」と言って弟のまろい頭を撫で、少々後ろ髪を引かれる思いをしながら11年育った家の扉を閉めた。彼は、自由になるのだ。ホグワーツという学び舎で。
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アルバス・ダンブルドアは居心地の悪さを実感していた。数十分前に汽車を降り、組み分けをするためにホールへ向かっているが、誰もアルバスに話しかけようとはしないのだ。いや、それだけならまだ何も思わなかったが、チラチラとこちらを伺ってくる視線が痛く、そして冬の風のように耳に刺さるヒソヒソ話しがアルバスの胃の上あたりをキリキリと痛ませた。“マグル嫌いでアズカバン送りになった父親”を持つ新入生として、アルバスは悪い意味で注目を集めていた。
「(気にするなアルバス・ダンブルドア。ぼくは父親ではないだろう。)」
そう己に言い聞かせ、前だけを向いて歩くアルバスは、いっその事ゴドリックの谷でアバーフォースとヤギの世話をしていれば良かったと、泣き出したい気分だった。
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桜(プロフ) - ダンブルドア・アルバスではなくてアルバス・ダンブルドアじゃないだろうか？ (5月6日 10時) (
レス) @page3 id: e22cbff476 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - この先輩概念のやつめっちゃ好きなのだがもう続きは出ないのだろうか… (1月29日 19時) (レス) @page7 id: 01548bf821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐うどん(元稲荷) | 作成日時：2023年12月11日 0時
