【ツイステ】夕焼けの草原王宮物語Ⅱ (ページ10)

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74話　休憩オアシス！ページ10

夕焼けの草原と熱砂の国の間、とある砂漠にて。
夕焼けの草原第二王子、レオナ・キングスカラーはお付きの者と共にオアシスで休憩をしていた。
いくら魔力付与をした馬車といえ、休憩くらいはしておこう、という提案があったためである。

「レオナ様。お飲み物です」

「、ああ」

従者から渡された飲み物を飲む。
毒味もしっかりされたそれを、ちびちびと飲み進めるレオナ。何だか煽る気にはなれなかった。

「…何だか、味が薄いな」

政略結婚など王族なら当然だ。だけれども…。
そんな感傷が味覚にまで関係しているのだろうか、なんて似合いもしない事を考えた。
また今度は飲み物を一気に煽った。
そうして感じた違和感。

「…なんだ？」

「いかがいたしました？」

そう問いかけてくる従者。
彼の顔が二重、三重にも見える。
目を瞬かせ、口に手を入れ、飲み物を吐き出した。

「レオナ様？！」「ご乱心なされるな！」「新しい飲み物をお持ちしろ！」

「い、らねえ・・・」

ぐわんぐわんと頭が割れるように痛い。力が抜ける。
レオナにはこの症状に覚えがある。これは…。

「睡眠薬なんてモン、盛りやがって・・・！」

レオナがそう吠える。
困惑した顔の従者たちの中で、たった1人、フラフラと歩み寄ってきた男がいた。
飲み物を渡してきた従者だ。さして関わりがあったわけではないが、王宮でずっと見てきた顔だったこともあり、油断していた。感傷的な気持ちになったのもそのせいだろうか。

従者たちが次々と倒れていく。同じ飲み物を飲んだのだろう。

レオナも強烈な眠気に抗おうとするが、それに反するように瞼が落ちる。
ひんやりとした手が、レオナの首にかかった。