２６ ページ6
.
暑い部屋の中に
威勢のない蝉の声と
応援する声、音楽が微かに聞こえてくる
もう視界は回ってる
時間を確かめると１１時過ぎ
そろそろお昼か
まあ、私は何も食べれないけど
ああ、意識が飛びそう
閉じ込められてから多分４時間くらい
スマホの画面に
北先輩とのツーショットを映す
先輩の最後の体育祭くらい
見届けたかったな
体育座りをしてぼーっと画面を見詰める
ガタッ
何かが外れた音がしてゆっくり扉の方を見ると
勢いよく扉が開いた
北「大丈夫か？これ飲み」
『あれ、北先輩だ。幻想まで見えてきた…』
嬉しくてつい抱き着いてしまう
好きが溢れて今出る力、全てを出して抱き締める
ああ、幸せ
そう思った瞬間から意識は飛んでいた
.
夢の中で私は北先輩と手を繋いでいた
さっきまで不安な気持ちだったのが
一気に安心感に変わっていく
何も動きない隣の北先輩に
伝わるか分からないけど
“ 大好きです ” と抱き着いた
私、こんなに想い詰めてるんだな
夢の中ですぐに触れたいと思ってしまうほど
惹かれてるんだな
やっぱり何も返してくれない
北先輩は遠ざかっていく
追い掛けたくても全く動けない
私の事なんて無視して離れていく
行かないで、先輩
私やっぱり嘘だから
好きだなんて絶対言わないから
お願い…＿＿＿
『……ぃかないで！！』
北「おお、起きたか」
『あれ、北先輩がいる…』
夢に
あれ、助かった？生きてる私
外の様子を見る限り、まだ明るく
さっきよりも近くで声援が聞こえる
あまり状況が掴めず眉間に皺を寄せると
保健室の先生が状況を詳しく教えてくれた
どうやら北先輩と寮母さんが
私を見付けてくれたらしい
見付けた瞬間に気を失って
ここに運ばれて眠っていたら今の時間
…え、てことは
私、なんかやばいこと言っちゃった？
いやいやあれは幻想のはず
北「で、誰にあんな事されたんや」
『んー……分からないです』
今まで見た表情の中で１番の迫力で
そう言った北先輩
検討はついてるけど知らないフリをした
『そんなことよりも北先輩の走る姿見たいです！』
体育祭終わるまで
出れないと思ってた恐怖から解放されたせいか
勢いよく出た言葉
ワガママ過ぎた？と眉間に皺を寄せていると
保健室の先生からは水分摂るなら
外で見てもいいと許可が下りる
北「部活動対抗リレーがまだあるからそん時まではここにおり。後で呼びにくるわ」
そう言うと立ち上がり
柔らかい表情で頭をそっと撫でてくれた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 254人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りょうまる。 - 男ですが北さんかっこよすぎてヤバイッス、、 (7月15日 22時) (
レス) @page24 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
比奈(プロフ) - ミホさん» ミホ様 > コメントありがとうございます！そう言って貰えるのめちゃくちゃ嬉しいです(；；) 読んで頂きありがとうございました🦊🤍 (2023年2月3日 19時) (レス) id: aff0088c77 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - めっちゃキュンキュンしました！完結おめでとうございます。 (2023年2月3日 19時) (レス) @page24 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
比奈(プロフ) - フェアリーさん» フェアリー様 > ありがとうございます！北さんも男子高校生なのできっとそういうだろうという完全なる妄想ですね（ 読んで下さりありがとうございます！🦊🤍 ︎ (2023年2月3日 19時) (レス) id: aff0088c77 (このIDを非表示/違反報告)
フェアリー(プロフ) - 完結おめでとうございます！北さん、最後の言葉、好き(語彙力低下) (2023年2月3日 19時) (レス) id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むむたろう | 作成日時：2023年1月30日 10時
