北さんの弱点 ２

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『お、お婆ちゃんさん』

お婆「ふふ、お婆ちゃんでええよ」

『お婆ちゃんなんで私の名前知ってるんですか…？』


北「なんや、どこおるんと思ってたら手伝ってたんか」





お婆ちゃんの答えを聞く前に
北先輩が来てしまった

聞きそびれた…



私とお婆ちゃんは手を動かしながら話をしていて
使う野菜はほとんど切り終わっていた





お婆「ここまでやってくれたらもう十分やよ」


『いや、でも』


お婆「大丈夫よ」




可愛らしい笑顔に自然と私まで笑顔になり
台所を北先輩と離れた

夏休み以来の北先輩のお家は
昔ながらの日本の家という感じ

何となく落ち着く



庭の方を見たらバレーをしてる双子
いや、本当にバレー好きだな





北「４人でやるか？」


『え、私もですか？』


侑「北さんこいつポンコツですよ！この間も体育で 『わわわ！馬鹿！言わないでよそれは！』


北「俺らで教えればええやんか」





北先輩とマンツーマンが良かったけど
まあ、少しくらい上手くなれるんなら
この２人が居ても別にいいか





『先生、宜しくお願いします』


侑「おお、響きええなぁ！もう１回」


『侑先生？』





よっしゃー！とアホみたいにアガるツムに
北先輩が声を抑えるように促す
馬鹿だなぁと笑う


私はレシーブをとりあえず教わった
双子は擬音語ばっかりで分からない



侑「ポンッと優しく打つねん」


治「ちゃうやろどっちかと言うとバンッやろ」


侑「バンッてしたら飛びすぎるやろ！」


治「でも実際の音はバンッて聞こえるやろ！」



バンッもポンッもどっちでもいいから
ちゃんと教えてよ
訳の分からない言い合いしてるのを見てると
北先輩がそっと横に寄り添って
姿勢を教えてくれた




北「ええか、腰を少し落として腕はこっちかこっちの形にしてなるべく身体で打ち返すんや」


『なるほど』


北「おい、喧嘩せんとお前らこっちにレシーブしてくれ」





触られた所が少し熱を帯びる
駄目だボール来る

言われた通りに打ち返すと綺麗にサムの所へ
何回かラリーできた私





侑「お前、運痴だと思ってたけど出来るやんけ」


『北先輩の教え方が良かったんじゃない？』


治「ほんま完璧人間やな。そこが好きなん？」


『ちょ、なに急になんで好きになるの』






ニヤニヤとこっちを見てくる双子
北先輩には聞こえてなかったみたい


チラッと部屋の中を見ると
お皿を出してるお婆ちゃん

私は逃げる様に双子にボールを渡し
手を洗ってから美味しそうなご飯が乗った皿を運ぶ
手伝いをした








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