あつい 【北信介】

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朝、宮くんに話しかけられたときに
“北さん”について、話を聞いた。




3年生であること
バレー部の主将だということ
頼れる存在だということ
尊敬できる人だということ
かなりのしっかり者だということ



…たまに怖いということ
“北さん”がいると空気がピリつくということ


そして、おばあちゃんっ子だということ。






ここまで聞いていいのだろうか、
と言う情報まで書いてしまったが

相変わらずずっと“北さん”呼びで


フルネームも、
どこから「キタ」さんがきているのか

基本的な情報がわからなかった。






「ふうん！
Aから男の話題なんて！

めっずらし〜！」






ぷくく、っと効果音がつきそうに
手を口に添え、ニヤニヤと笑っている。







「別に若奈が思うようなことはないよ

すごく真剣な顔で見られたから
なんか頭から離れなくって」




「えー それ
恋の始まりなんちゃうん！？」





「…何言ってんの

ないから」






ないない。そんな
漫画みたいな話。

あるわけない。



見つめられてドキッとはしたけれど
きっと恋愛感情とか、そういう気持ちじゃないし

…かと言って、「ドキドキした」なんて言ったら
変に食い付かれるから、黙っておこう。






「ふうーん、なあんだ！」



「もうっ、ニヤニヤしないでよね…



って、」






若奈と話に夢中になっていて気付かなかったが

数メートル先に、印象的な髪色の人がいる。


　
あの銀髪、
北さん…？

なわけないか、






「…やっぱそうだ」



「え！？何？いきなり」



「……前の方にいるあの3年生、
今話してたバレー部の主将の人だ」






噂をすれば、とは
このことだろうか。






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