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「・・・失礼しました」






職員室には数名の教師がおり、
みんな冷房の効いた部屋で優雅に仕事していた。


滞在時間は1分にも満たなかったが
制服の嫌なベタつきを感じなくなるほどには涼み、

教室もつけてくれていいのに、と
不貞腐れながらも挨拶をした。






「クッキーアンドクリームか…
抹茶か…

やっぱりバニラも捨てがたい…」






廊下から差し込む光を眩しく感じながら
今日食べるハーゲンダッツの味を考える。






「ストロベリーもありだよな、


あ」






廊下から見える体育館の方をぼーっと見ていたら
青い綺麗な花が目に入った。


なんとなく、目が離せなくて
あんなに暑いのが嫌だったくせに
スリッパのまま、外へ出た。













目についた花壇まで来ると
青みが強い、紫色の花が数本、
他にも何種類かの花が咲いていた。




体育館の近くに、こんなところあったんだ…


いつも体育館に行くときは
反対側の校舎との連携通路を使っているし

暑いのは苦手、加えて体育嫌いの私は
体育館の外に注目する余裕がなかった。




まさか、こんな綺麗な花壇があるなんて。






「朝顔…?」






すごく、すごく綺麗。

凛と咲いている。




でも朝顔って夕方に咲くものなの?

まあ、いいや。
何の花であれ、こんな綺麗に咲いているなんて。




カメラアプリを起動させ、目の前の花たちに携帯を向ける。







「本当に綺麗…、」


「綺麗やな」




「…え?」






「綺麗やな、って」






夢中になっていると後ろから声がした。






初めて見る…誰?

驚きながらも一瞬で頭からつま先まで目線を動かし、確認。

小豆色のジャージを着ていて、髪は明るく、
体はがっしりとしている男の人。






「綺麗、ですよね
朝顔…かな」




「…ああ、この花?

朝顔ちゃうで、」






“キキョウ”、だと
その人は私の顔を見ながら、隣にしゃがみ込んだ。






「へ、へえ、
キキョウ…」







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あまね(プロフ) - さすが罪深い男とかいてキタと呼ぶ。めちゃ好きです🍁 (4月28日 0時) (レス) @page35 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - どーなつ!さん» わ〜ありがとうございます!幸せ感じていただけて私も幸せです(T_T) (3月22日 23時) (レス) @page33 id: 6b0f65a5a7 (このIDを非表示/違反報告)
どーなつ! - きゅんきゅん、、、します、、、幸せ、、、、、、続き楽しみです頑張ってください! (3月22日 18時) (レス) @page31 id: 234d97ae0d (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 稲荷さん» 楽しみにしてくださってコメントもありがとうございます(TT)お待ちください! (3月10日 12時) (レス) id: c86f5573b5 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷(プロフ) - 続き楽しみです! (3月10日 8時) (レス) @page27 id: d01056f976 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美玲 | 作成日時:2024年2月27日 1時

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