あつい 【北信介】

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若奈は私が驚いた理由がわかると
ぴょんぴょんっと飛び跳ねて
「きゃー！」なんて言ってる。



…んもう、北さんにバレるでしょうが。

覚えられてるかもわからないけれど。




北さんが履いてるスリッパの色、
本当に3年生なんだ。


昨日の体育館外での出来事が
何故か現実味がなく、
夢の中の出来事みたいで

何故か
目の前に“北さん”がいるのが信じられない。


……また、変なドキドキが。

ドキドキというか
心臓がバクバクしてきた。






「へえ〜〜〜…

ノーマークやったけど、
バレー部って主将さんもかっこええんや！？」



「それ失礼だから」






そう言いながらも
チラチラっと北さんを見て

やっぱり顔整ってるよなあ…と再確認。


おばあちゃんも若奈も言っているし
私の記憶違いではなかったようだ。






「強そうな人たちが集まってんなあ…
みんなバレー部なんか？」



「…そろそろ しっ！」






一瞬人差し指を口元に持っていき
若奈に静かに、と合図をした。



もう距離がかなり近い。


北さんの話なんかしてるのバレたら、
恥ずかしい。






「………じゃあ今日は
北のこと待たんと先に始めとくわ」



「おう、頼んだで」






北さんたち4人の隣を通り過ぎる。


なんの話かわからないけれど、
ちょうど会話している最中で
こっちの方は見向きもしなかった。




……完全一人で意識しすぎている、

恥ずかしい。



まあ、そうか。

昨日のあの数分で
私のことなんて覚えていないか。




理由はわかんないけれど

顔に一気に熱が集まるくらいには
北さんの横を通ることに緊張したし

北さんのことを気にかけていた。






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