お迎え2 ページ9
「おい」
「は?なんで車じゃないの?迎えに来てって言ったら車でしょ普通。宏にぃ免許持ってるじゃん」
「こんな近い距離で車なんか出すかよ」
「………意味わかんない。」
文句を言いながらも荷台にまたがり腰に手を回す妹がちょっとだけ可愛く思えた俺は、やっぱりどこかシスコンなのかもしれないな…
そう思いながらペダルを漕ぎだす
「はー、重…。お前太ったんじゃね?」
「うるさいなあ」
さっきまで威勢のよかった妹がいきなり大人しくなる。
「どーしたんだよ今度は」
そう聞くと、妹は小さな声で話し始めた。
「………今日ね、お母さんがいなくなる夢をみたの。家の中にいないから、外に出て探しに行くんだけど、外は真っ暗で、走れば走るほど暗闇の中で………怖かった」
俺に掴まる手に力が入っているのが伝わる。
そーゆうことね、俺が駅までむかえに来させられたワケは。
「で、お前はこの暗い道を1人で歩くのが怖くて、優し〜いお兄ちゃんに迎えに来るよう電話したと」
「は?違うし」
「強がんなって」
「だからちがうってば!なに笑ってんの!」
「痛え!」
背中をグーで殴る妹。クッソ…本気で殴りやがった……
「安心しろ。母さん家でテレビ見ながらゲラゲラ笑ってっから」
「…ふーん。そう」
そう言いながらも、ホッとしたのか背中にもたれかかってきた。
ついこの間高校を卒業して、もう子供じゃないから!とか言ってたのにな
あの時の妹を思い出して、思わず吹き出してしまう。
「今度はなに笑ってんの」
「ん?いやー。まだまだ俺の妹がお子ちゃまでよかったなあ〜って」
「なにそれ。」
後ろの妹が笑っているのを背中で感じて、たまにはこーゆうのも悪くないな、と思った。
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美紀 - キスマイ前列寄りのオール担当です最高です (2019年4月1日 18時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
架凜 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 物語行間隔あけたほうが良いのではないでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2018年5月8日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:peach | 作成日時:2017年9月4日 11時