横尾家2 ページ11
「毎年悪いな、ありがとう。」
「渉の大事な息子の誕生日だもんな。そりゃお祝いするよ」
「ふふっ、ありがとう。彼女さん、とってもいい子ね。かわいいし、明るいし」
「明るすぎてちょっと疲れる時もありますよ」
「またそういっちゃって、好きなくせに」
「いやほんとだよ〜。コイツ、打ち合わせの合間に連絡とってにやにやしてるもん」
「渉、それ以上言ったら怒る」
放っておけばすぐ奥さんにペラペラ喋り出しそうな渉に釘を指す。
渉こそ、いっつも奥さんの話ばっかりで奥さんのこと大好きじゃないか。…と言いたいところだが、やめておこう。
奥さんが出してくれたコーヒーを飲みながら、しばらく2人と話した後、りょうくんのもとへと足を運ぶ。
「しーっ。寝ちゃった。疲れちゃったかな?」
彼女がりょうくんのお腹をポンポンしながら俺に言う。
「本当だ。寝顔もすげぇかわいいな」
まさにこれぞ天使。ぷっくりしたほっぺは自分の頬とスリスリしたくなる。彼女ほどじゃないが、俺も子供は好きだ。
「やっぱり渉に似てるな。目元とか。」
「鼻は奥さんじゃない?どちらにしても大きくなったらイケメンになるね」
「そうだな。渉のことだから野球とかやらせそう」
そう言ってりょうくんの将来のことを勝手にあれこれ話し始める。自分の子供でもないのに、ワクワク顔の彼女がちょっと可笑しくて笑いそうになる。
「なんかやっぱりいいね、子供とか、家族とか。」
「そうだな…」
彼女は視線をりょうくんからキッチンの方へ向ける。
そこには渉と奥さんが2人で夕食を準備する姿があった。
2人は常に会話があって、料理しながらも笑いあってる。
「俺たちも、ああゆう夫婦なろうな?」
「え?」
彼女がキョトンとした顔でこっちを見る。こーゆう驚いた顔、なんだか抱きしめたくなるくらいかわいい。
「なにその顔。」
「え、だってそれ」
「まぁまた、ちゃんと言うよ。」
「なにそれ?!」
「そんで、俺たちだけの天使が生まれますように」
そう言って彼女の手を握ると、どこか納得いかない顔をしながらも俺の手を握り返してきた。
きっとこの先ずっと、この手を離すことはないんだろうな…と彼女をみて思った。
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美紀 - キスマイ前列寄りのオール担当です最高です (2019年4月1日 18時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
架凜 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 物語行間隔あけたほうが良いのではないでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2018年5月8日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:peach | 作成日時:2017年9月4日 11時