育成記録

あけました。Ki ページ35

さて、どうしたもんか…。


あ、皆さん明けましておめでとう。

今何ともしがたいというか、ちょっとばかり困ってます。

み「ありがとぉ♪」

あぁ…また…。

ニパッと笑顔で受け取り、そのまま俺に持ってくるひろみちゅ。

よかったなって頭を撫でて、相手にお礼を言い見送った後、渡された小さい封筒の中身を覗きこんだ。

み「ちゃいろいオッサンだぁ」

北「……」

うぉぉおい！！

ありがたいよ？ありがたいっすよ気持ちは。

でも、金額たけぇだろ！

これで総額いくらだよ！

み「ひろ〜、いっぱ〜い」

見せられた鞄の中には、色とりどりのポチ袋が大量に入ってる。

さっきから何に困ってるって、コレだよ。

懇意にしてるお偉いさんから新年会に呼ばれて、ひろみちゅを見たいから連れてきてくれって言われりゃ断れない。

だから連れてきたんだけど、さっきから挨拶する人達がひろみちゅに気づくとお年玉渡してくるんだよ。

さりげなく断ろうとしたら遠慮すんなって言われるし、かと言っていらねぇって突っぱねらんねぇし…。

どうにもできなくて受け取ってるけど、限界だ！





北「はぁ……疲れた…」

終わりの見えないお年玉から逃げるように、宴会場を出てトイレに避難すると、重いため息がこぼれた。

曇りひとつない鏡に映る顔は、既に疲れきってる。

できることなら帰りたい。

それが無理なら部屋借りてでも隠れたい。

戻りたくねぇな…と悪あがきで俯きしゃがみこんだ。

み「ひろ〜、しゅけ〜」

北「んー？連絡したいのか？」

藤「北山、何やってんの？」

北「え…？」

た「みちゅ〜♪」

み「しゅけ〜♪」

顔を上げたら、嬉しそうにぎゅうっ♡と抱き合うおチビ達。

その奥には、鏡に映った藤ヶ谷がいた。

藤「気分でも悪いのか？」

北「あ、いや、違う、大丈夫。それより、何でここに？」

藤「俺も新年会に呼ばれた」

北「ああ、それでか」

た「みちゅそれなーに？」

み「おとしだまー。ちゃいろいオッサンがはいってるんだよ」

た「オッサン？」

み「うん！」

ほらってポチ袋を取り出して見せる様子に、藤ヶ谷の表情が微妙に曇る。

藤「あれって…」

北「会場行ったらお前も同じ目に遭うぞ」

藤「……帰りたい」

北「同感だ」


気持ちはどうあれ、帰る訳にもいかず会場に戻ると、途端に藤ヶ谷もお年玉攻撃にあってた。






**帰宅後**


み「ひろー、オッサン３２まいある〜」

数時間で、３２万……。

金運に恵まれる年になりそうです…。
　

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