愛の形

愛の形・4 ページ4

鬼頭side

俺が若の側近になってもう5年になる

組に入ったときから現組長の側近を勤めてきた

昔堅気の組長から息子の力になってくれと命(めい)が下った時点から俺の一番は若である

産まれたときから知る若をなかなか若頭とは呼べず幾度となく注意をされてしまう

どうしても俺の中では幼い頃の若がいるのだ

屈託のない笑顔を見せていた幼い頃の若

しかし体の弱かった姐さんが若を産んだ後床に伏してしまわれ若が小学校に上がる頃にこの世を去られた

その頃からだろうか若の笑顔がなくなったのは・・・

体の弱い姉さんを気遣い優しい若だった

でも、愛するものを失って若は心を閉ざしてしまった

人に興味を示さなかった若がなぜかあの小屋であの男を見てから変わったような

ノックをして部屋に入った






「若・・・社長・・この間の男の資料です。」







無言で受け取った若は無言でそれを受け取り机の隅に置いた






「あの、社長・・・」

「なんだ。」






顔も上げずに返事をする若は何の質問もするなと言っているように感じ俺は何も言えなくなってしまった






「いえ・・・」

「手はずは？」

「整っています。」

「そうか。任せた。」

「はい。」







俺は一例をして部屋を出た






１つため息をついて千賀に連絡を入れる




「車を回せ。」




若、いったい何を考えているのか俺には検討も着かなかった

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