恋におちたら

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「30分だけとか言いながら、遅くなっちゃってゴメン。

明日も仕事なのに。」


帰り道、車を走らせながら二階堂さんが言う。





あれからしばらく…


サンタクロースは何歳まで信じてた？とか、

子供の頃のクリスマスの思い出話とか…………


何だか話が尽きなくて。



…………帰りたくなかった気持ちは、私もおんなじだから。








やっぱり、運転する二階堂さんの横顔が好き。


……毎日のように見てるのに。




真剣な表情と
時々こっちを見てニッて笑った時の眼尻のしわ。



ハンドルを握る、細くてきれいな指と大きな手。


すっーて伸びてる腕。


骨ばった肩のライン。



何だかそんな姿を見てるだけで、今日も胸は高鳴る。




でも、

そんな毎日もあとわずか。









「ね………Aは、年末年始は帰省するの？」



「あ、いえ。

まだ決めてなくて、予約もしてなくて………。」


ホントは、二階堂さんはどう過ごすのかな？って気になって、まだ決められずにいたんだけど。




「ほんと？良かった。

あのね、俺…帰省しない年は、この間のママのお店に行くんだよ。

常連さんばっか、10人くらいだけど。みんなで年越しすんの。」



「楽しそうですね。」



「うん。

………あ、でもカウントダウンパーティーとか、あーゆう派手なヤツじゃなくて………

ただただ………みんなで飲んでるだけだけど(笑)。



あのさ、今年よかったらAも一緒に行かない？」




「え………？いいんですか？

私なんかが行っても。」



「うん。Aちゃん連れて来いって、ママから言われてる。」



「フフ。じゃあ、行きます！」



「良かった。

………じゃ……さあ……その後一緒に、初詣も行かない？」



「え………？

あ、はい…行きます///」



嬉しい。



休日の………デートの約束、って思っていいんだよね？

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