恋におちたら

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それから、
軽く食事とお酒もいただきながら、ママさんがこの前以上にいろんな話をしてくれた。



いつもカウンターの奥の厨房にいる
この店の店主兼板前さんの“パパさん”は
無口であまりお客さんの前には出てこないこと。


(そういえば、この間もチラッとだったっけ笑)



ある時ママさんが足を怪我して
知り合いの紹介で二階堂さんがバイトに入ったこと。



短期間のバイトの予定だったけど
そのまま卒業まで続けてもらったこと。



二階堂さんが今でも
ママさんの体調を気遣ってくれること。



無口なパパさんも
二階堂さんとはいろんな話をすること。



お二人はお子さんに恵まれなくて、
そんな二階堂さんのことをホントの息子の様に可愛がってること。






二階堂さんは
社会人になってからもよくお店に来て

時には早めに暖簾を下ろして
パパさんママさん二階堂さん3人で飲むこともあるって。




そんな話からも
二階堂さんの優しさを感じて何だかほっこりしたし、
やっぱりそんな二階堂さんは素敵だなって思った。




帰り際にママさんが

「また1人でも遠慮なく来てね。」

って言ってくれた。




それから………

「ニカちゃんの事をよろしくね。」

って言われて///



「……………………いえ。

私の方がお世話になりっぱなしなので。」

って、
照れくさくてしどろもどろに答ることしか出来なかったけど。



ママさんは笑って


「じゃあ、やっぱり今度は2人で仲良く来てね。」


って言ってくれた。






・
・
・
・
・





それから





……あれ以来残業続きの二階堂さんだけど



“今終わった。”


“帰る〜！”


とか、
短いメールをしてくれるようになった。



なんか可愛い。




そんなメールに私は

“お疲れさまでした。”

とか


“忙しそうだけど、体調に気を付けてください。”

とか


なんか業務の延長みたいな
可愛げのない返信しかできない。




だって、
何をどう伝えていいのかわからなくって。

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