恋におちたら

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Aを連れてったのは、俺の行きつけの店。



ここは大学時代のバイト先で、お店のパパとママ(笑)は俺のことホントの子供みたいに可愛がってくれてて。


社会人になってからも、週に1度は顔出してる。



自炊のできない俺の健康を心配して、あれやこれやメニューにないものまで出してくれる(笑)



料理は美味しいし、気兼ねは要らないし、何だかここにAを連れてきたくなったから。




Aはママとあっという間にうちとけて、ずっと楽しそうに話してる。




Aが席を立ったとき、ママに言われた。



「いい娘じゃない、ニカちゃん。
頑張りなさいよ！」って。



「……は？……そんなんじゃねーし！」



って慌てて答えたけど、ママには見透かされてたかもね、俺の気持ち。









2人で乗った帰りのタクシー。



ちょっと酔ったみたいで、さっきまでご機嫌だったAは、ウトウトしだした。


無防備な寝顔で、俺の肩にもたれてくる。







バカA………。






こんな風に誰か知らない男に寝顔見せてんのかな。

勝手に知らないヤツに嫉妬してる俺w。






俺だって、男なんだけど。

送り狼になったってしらねーぞ。






まあ、ちゃんと送り届けるけどさ……。







タクシーがカーブに差し掛かった時、Aが反対側に倒れそうになって慌ててこっちに抱き寄せた。


フワッと香ってくるAの匂いを感じて、ちょっとドキドキする。







頭を支えて、もう一度自分の肩に乗せる。

Aの頭に添えた自分の左手が、何だか離せない。









あと少しだけ、こうしててもいい？









Aの髪に、一瞬だけそっとキスを落とした。

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