恋におちたら

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突然の話にびっくりして言葉が出ない。
噂はあったけど、それが本当になったんだ。



「………ごめん、驚かせて。


Aには引き継ぐこともあるし、早めに言わなきゃとは思ったけど、こんな時に言うことじゃなかったね。」





「……いえ、全然。

………………おめでとうございます。」


振り絞ってそう言ったのに、不意に涙が出てくる。





「え、ちょ………待って……………何で。」



「ごめんなさい。

………ホント、何で泣いてるの……私ってば。

………なんか、体調悪くて涙腺も壊れてるのかも。」





「…………。」



熱のせいで何だか涙もろくなってる？


人前でそんなに泣いたりするタイプじゃないのに、何だか二階堂さんを前にするとうまく感情がコントロールできない。




「おめでとう、なのに、

……泣いたりしてごめんなさい。

二階堂さんがいなくなっちゃうと思ったら、やっぱり不安で。」





「………。

Aならもう大丈夫でしょ。ちゃんとやれる。」


そう言って笑ってくれる。






けど、






「違うの………なんだか淋しくなっちゃって。





私………………二階堂さんのことが好きなの。」






「…………。」






「もう、私何言ってるんだろ。



絶対言うつもりなかったのに……。


言っても困らせるだけなのに……。



………今日の私、やっぱりおかしいみたい。」




涙が止まらない。


すると、二階堂さんはソファーから立ち上がって私のそばに来た。








そして、






頭からすっぽりと包み込むように私をそっと抱きしめてくれた。






「ほら、もう泣くな。」




いつかと同じように、そう言ってくれる。




心臓の鼓動がドキドキとものすごい速さで波打ってる。








それから、








二階堂さんは、私を抱きしめながら優しい声でこう言った。







「俺もね、

……………Aが好きだよ。





たぶん、ずっと好きだった。」





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