恋におちたら

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え…嘘、どうしよ！



でもさすがに、下にいるって言われて追い返せない。


「あ、はい。」




返事をして電話を切ってから、慌ててカーテン閉めて明かりをつけて、鏡をのぞく。



わ、そうだった！

ノーメイクだし、寝起きで髪はボサボサっ。




急いで髪を整えて、部屋着にパーカーを羽織るともうインターホンが鳴る。



うわ〜〜。こんなで出ても大丈夫かな？

でも、もう間に合わない。




ロックを解除して、小さく深呼吸して、そっとドアを開けた。







「……わざわざ、すみません。」




「あ……………いや、こっちこそ急にごめん。

………あの、これ…………良かったら食べて。



………じゃ。」




ずっしりと重めのドラッグストアの袋と、何かが入った小さい紙バッグをちょっと照れくさそうに私に渡して、ホントにすぐに帰ろうとする二階堂さん。




「あ、あの…………」


思わず二階堂さんの手首をつかんで引き留めてしまった自分に、自分でびっくりする。




「え…………？」



二階堂さんも、驚いた顔してる。

慌ててすぐに手を引っ込めた。





「あ、あの…………いろいろ心配かけてすみません、ホントに。


…………その………良かったら少し上がってください。」




こんなカッコだし、思いっきりスッピンだし、部屋は散らかったままだし…。

なのに、引き留めてしまったのは私。




二階堂さんの顔を見たら、やっぱり嬉しくてホッとして、もう少しだけそばにいて欲しくって。





「大丈夫？……いいの？」


「………はい。」


「……………じゃあ、少しだけ。」



自分で言ったくせに、よく考えずにこんな状態で部屋に招待してしまったことを少し後悔する。



「ごめんなさい。ホントに散らかってるし、その……。」


「こっちこそ、急でゴメン。」


「あの………あんまりあちこち見ないでください。」




二階堂さんはソファーに座ってもらって、慌ててテレビをつけた。

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