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結局、タオルを受け取って額の汗を拭う。
「あちぃ」ってセットアップの上着のファスナーを下ろすと、下は白のタンクトップだけで、一瞬ドキッとする。
でも暑いって言いながらはだけた上着ををパタパタしてる仕草は、どこか夏休みの小学生みたいでちょっと可愛い。
「アイス、あんなにたくさんありがとう。ひとりで食べきれないよ」
「まさか、Aなら一瞬でしょ?」
「もう、そんなわけないじゃん!」
顔を見合わせて、笑い合う。
やっと、いつもの私達みたいな雰囲気。
「自転車も、いつでも良かったのに。わざわざありがとう」
「うん」
「ニカも今日は休み?」
まあ、このスタイルを見ればわかるけど(笑)
でもニカは、そんな私の質問を無視するように「ねえ何これ、チョーいい匂い」って言いながら、鼻をクンクンさせて一瞬部屋の中に視線を向ける。
「ああ、うん。今カレー煮込んでる」
「マジ?」
そう言うのと同時に、ニカのお腹が鳴るから、吹き出しそうになる。
「………食べてく?」
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「あーうまかったー」
そのまま後ろに倒れて大の字になってる(笑)
独り暮らし男子のニカは、朝からコーヒー以外何にも食べてなかったみたいで、あっという間にカレーを平らげてしまった。
「食べてく?」って聞いたら、一度は「悪いからいいよ」なんて断ったくせに、結局自分ちみたいにくつろいでるし(笑)
「A、マジで料理上手いのな」
「大袈裟だって。カレーなんて誰でも作れるじゃん」
でも目の前で美味しそうに自分の作った料理を食べてくれるのは、やっぱりちょっと嬉しいけど。
ニカなら気も使わないし。
「ね、ニカが買ってきてくれたアイス食べよっか!」
「どれにする?」
ちょうどテレビでやってた2人が好きなバラエティーを見ながら、小さなテーブルをはさんでアイスを食べる。
「明日からのロケ、ニカもいくんでしょ?」
「うん」
ロケの途中には雑誌やテレビの取材も入ることになっていて、宣伝部も忙しいはず。
「ミツさんは、紙媒体の取材から合流するって」
テレビから視線を外すことなく、ニカがサラリという。
「ふーん、そっか」
私もテレビを見ながら答える。
そっか、、北山さんも行くんだ…………あの場所に。
「Aは………大丈夫?」
今度は私の方を見て、ニカが心配そうに言った。
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な(プロフ) - めろんさん» お忙しい中返信ありがとうございます。いつか続きを書いてくださると言う事で気長に更新される日を楽しみにしてます(´•᎑•`)♡ (2022年4月22日 18時) (レス) @page43 id: e0b3298bfa (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - なさん» こんにちは!コメントありがとうございます。いろいろ忙しかったりして最近はなかなかこちらに来れず、コメントに気付くのが遅れてスミマセン。また落ち着いたら続きを書きたいと思っています。よろしくお願いしますm(__)m (2022年4月22日 11時) (レス) id: b3e118b8f0 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 久しぶりに読ませていただき、やっぱり好きだなぁと思いました。もう続きは書かれないですか?気になっているのでもし良かったら書いてほしいです(;_;) (2022年3月13日 1時) (レス) id: e0b3298bfa (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - あらしごとさん» コメントありがとうございます。始まった時から読んでいただいてるとのこと!嬉しいです。このところ、なかなか更新出来てなくて申し訳ないです( > < )なるはやで再開できる様頑張ります☆ (2021年6月5日 23時) (レス) id: 230cd38611 (このIDを非表示/違反報告)
あらしごと(プロフ) - こんにちは!この物語が始まった時から楽しく読ませて頂いていました!最近また読み返していたのですが、続きがとても気になります!ガヤさんの妹だと北山さんはいつ気づくのかなど自分で続きを想像しています笑ゆっくりでいいので更新楽しみにしています! (2021年6月5日 7時) (レス) id: 82951e9e3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2020年10月14日 13時