空から降るラブソング２

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部屋に飾ってるポラリスの写真の玉森さんを見る。



あの頃も今も、どこかフワフワして掴みどころがない雰囲気を漂わせてるのに、仕事への熱意や見えないところで努力する姿を目の当たりにして、中身は芯の通った強い人なんだって知った。



それに玉森さんにもニカにも、太輔の妹だって知られたから、これからは逆にポラリスの話はしやすくなったような気がする。







しばらくすると、玄関のチャイムが鳴る。



え、もう？



あれから数分も経ってないのに、インターホンのカメラにはキャップを被ったニカが映ってる。



早すぎじゃない？なんだか可笑しくなっちゃう。



「はーい。今、行く」



そう言って、急いで玄関のドアを開けると、上下セットアップのジャージにサンダルのラフな姿のニカが立ってる。



「早かったね」



「そう？ハイ、これ///」




そう言って差し出したのは、自転車の鍵と私の大好きなアイスのマルチパック。しかも3つ！



「え、こんなに？」



「うん」



ぶっきらぼうに、袋を私の目の前に突き出す。



どことなく、いつもよりよそよそしいというか、、、照れくさそう。変なニカ。



額にはじんわりと汗が滲んでる。



そんなに急いで来てくれたのかな(笑)



「外、暑かったでしょ。すごい汗だよ」



「………いいから、早く冷蔵庫しまって？」



「あ、うん」



受け取ると、玄関にニカを残したまま言われた通りに、程近いキッチンの冷蔵庫にアイスをしまいに行く。







「それから………あの時は、ホントいろいろごめん//」



背後から、ちょっと大きめのニカの声。



やっぱり気にしてたのかな、あの夜のこと。



「自転車は、駐輪スペースの元の場所に停めておいたから！じゃあ、行くわ」



え、もう帰るの？



箱入りのマルチパックが3つもだから、小さな冷蔵庫の冷凍室に入れるのにもたついてた。



「ねえ、ちょっと待って」



慌てて玄関に戻ると、ドアを開けてすでに帰ろうとしてるニカの後ろ姿。



「ちょっと、待ってってば」



もう一度声を掛けると、ニカが振り返る。



仕事の時は普通だったのに、なんとなく今日はよそよそしいっていうか、やっぱり照れくさそう。



すぐ隣の洗面所から、さっき取り込んだばかりのタオルを取ってニカに渡す。



「汗……拭けば？」



ニカは一瞬ためらったけど、私が「ハイ」ってもう一度差し出したら、ドアを閉めて「ありがと」って小さく言いながら受け取った。



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