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つい…ポラリスの名前を出したことを後悔した。
一瞬の沈黙。
北山さんの表情が、強張ったのがわかった。
「あのっ………すみません!」
そう謝ると、フッて北山さんが口元が緩む。
「俺、まだなんも言ってねーけど」
そう言って、ちょっとだけ可笑しそうに笑みを浮かべる。
「………ですよね」
また、ちょっと、、北山さんが遠くを見る表情に変わる。
「タマが、そう話したの?」
もう一度、視線を私に戻すからドキッとする。
穏やかな表情に戻ってるのに、その目だけが寂しそうで。
「話したっていうか、、私から聞きました」
「Aが?」
「はい……………
北山さんが、黙り込む。
「あ、あの、、たまたまです。何となく見た事ある様な気がして、もしかしてそうなんじゃないかなーって思って、、玉森さんに確認したっていうか、、、」
沈黙に耐えられなくて、私からそう言う。
前に、北山さんにまた歌って欲しいって言ったけど………なんでデビュー前に使ってたギター知ってんの?とか、もしかしてコイツ、俺のガチファン?とか………今、絶対北山さんの頭の中に駆け巡ってそうで、かなり恥ずかしい///。
「私ポラリスのファンだったんで、、黙っててすみません」
取り繕ってみたけど、もう遅いかも。
北山さんはフフって笑うと、その目が急に妖艶さを放つ。
「……………そんなに好き?俺のこと」
え、ちょ、ちょっと待って///!!
たまたま周りに誰もいないっていうだけで、ここは会社の廊下。
心臓がバクバク鳴り出して、呼吸が早くなる。
ドギマギして何も答えられない私を見て、北山さんがプッて笑う。
また、揶揄われたんだ。でも、、
「……………好きです」
思わずそう言うと固まる北山さん。
「あっ!あの、いえ、だから、今でも……ずっと好きです……………北山さんの歌も、ギターも。
また、歌って欲しいんです。
私じゃ………北山さんを変えられませんか?」
無表情な北山さんだけど、やっぱりその目はどこか悲しみに満ちてるから。
なんだか急に言ってしまった。
「お前……………メンタルだけは、つえーのな」
北山さんが呆れたように言いながらも、少しだけ笑顔が戻る。
「昼休み、終わりだぞ」
そう言い残して立ち去る、北山さんの背中を見送った。
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な(プロフ) - めろんさん» お忙しい中返信ありがとうございます。いつか続きを書いてくださると言う事で気長に更新される日を楽しみにしてます(´•᎑•`)♡ (2022年4月22日 18時) (レス) @page43 id: e0b3298bfa (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - なさん» こんにちは!コメントありがとうございます。いろいろ忙しかったりして最近はなかなかこちらに来れず、コメントに気付くのが遅れてスミマセン。また落ち着いたら続きを書きたいと思っています。よろしくお願いしますm(__)m (2022年4月22日 11時) (レス) id: b3e118b8f0 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 久しぶりに読ませていただき、やっぱり好きだなぁと思いました。もう続きは書かれないですか?気になっているのでもし良かったら書いてほしいです(;_;) (2022年3月13日 1時) (レス) id: e0b3298bfa (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - あらしごとさん» コメントありがとうございます。始まった時から読んでいただいてるとのこと!嬉しいです。このところ、なかなか更新出来てなくて申し訳ないです( > < )なるはやで再開できる様頑張ります☆ (2021年6月5日 23時) (レス) id: 230cd38611 (このIDを非表示/違反報告)
あらしごと(プロフ) - こんにちは!この物語が始まった時から楽しく読ませて頂いていました!最近また読み返していたのですが、続きがとても気になります!ガヤさんの妹だと北山さんはいつ気づくのかなど自分で続きを想像しています笑ゆっくりでいいので更新楽しみにしています! (2021年6月5日 7時) (レス) id: 82951e9e3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2020年10月14日 13時