空から降るラブソング２

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食べ終わって、ニカが帰る支度をしてる。



キッチンで食器を片付けてると、ニカが「ねえ」って呼ぶ。



「これって、、どういうこと？」



手を拭いて戻ると、驚いたようなニカの顔。



………ニカの視線の先を見て、ハッとする。







それは、部屋の棚に飾ってある2つのフォトフレーム。



1枚は、ポラリスの写真。



お兄ちゃんから貰った………ライブ後のバックステージのメンバー。



デビューが発表された、あの日の。







そしてもう1枚は、、ツーショット。



大っきな耳のカチューシャを頭に付けて、ポップコーンバケットを下げて、、、シンデレラ城をバックに楽しそうにピースサインをしてる2人。



それは高校生の時、一度だけお兄ちゃんと夢の国に行った時の思い出の写真。



お兄ちゃんはサングラスをしてたけど、この写真の時は指で少し上にずらして、涼しげな目元が写ってる。



茶目っ気たっぷりに笑う、素のお兄ちゃんの表情。







「これって、、、もしかしてポラリスの、、太輔、、、だよね？」



「……………。」



元々ポラリスの大ファンだったニカだから、これが太輔だってすぐにわかるんだろう。



私もファンだって言ってあるから、メンバーの写真だけならごまかせたかもしれない。



でもお兄ちゃんとの写真は、、、言い訳出来ない。



「なんで、、Aと、、、？」



「……………。」



「どうして、、、」



「ゴメン、黙ってて、、









ニカは、静かに私の話を聞いてた。



太輔は、私の実の兄だということ。両親が離婚して、私は母方の苗字に変わったこと。



この事を横尾さんと玉森さんは知ってるけど、北山さんは気付いてないこと。隠さずに、全て。



ニカ、、、すごくびっくりしてた。









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｢これ使って？｣



ニカに自転車の鍵を渡す。



私が大学時代に通学に使ってたもの。



これから仕事なのに、話し込んで時間を取ってしまったから。



ニカが1度家に帰るのに、徒歩や電車よりきっとかなり早いはず。



｢ごめん、いいの？｣



｢うん、全然。今はあんまり乗ってないから。また今度帰してくれればいいから｣



｢わりーな、ホント。いろいろごめん。今度なんかAの好きなモンなんでも奢るから許して｣



｢ハイハイ。楽しみにしてるからね(笑)｣



｢んじゃ｣








自転車に乗って帰って行く、ニカの背中を見送った。



………私も、仕事に行く支度しなきゃ。





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