空から降るラブソング２

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玉森さんがリビングを出て行く。



ガランと広い部屋。



なんだかあまりキョロキョロしてはいけない気がして、言われた通りにキッチンの冷蔵庫に買ってきたものをしまう。



とても男の人の1人暮らしとは思えないサイズの、立派な冷蔵庫。



それに『食べるものない』って言ってた割に、冷蔵庫の中には野菜やフルーツ、ヨーグルトなんかがきちんと整理されて入ってる。



じゃあどうして？



一応冷凍庫を見ると、こっちもやっぱりご飯が一膳分づつタッパーに入ってきれいに並べられてる。



前にラジオ番組に出演した時、自炊はあまりしないって答えていたけど、、、







考えてハッとする。もしかして…………カノジョさん？



だとしたら、私なんかがキッチンに立っていいんだろうか？



イヤ、でも私は仕事だし。



ううん……なら、この機会に探りを入れてマネージャーとしてプラべの管理もすべき？



あーそんな事、私にムリムリ。



人気モデルとはいえ、お年頃のひとりの男の人なんだし、きっと恋だってするだろう。



もう大人だし、会社的にも「タレントの恋愛禁止」みたいな決まりはない、はず。



とにかく頼まれた通りにチャーハンだけ作ったら、今日はサッと帰ろう。



そんな風に思って、準備を始めようとすると



「何ブツブツ言ってんの？」



背後で玉森さんの声がして、ビクッとする。



もうシャワーを終えた玉森さんが戻って来てる。



ヤバ……心の声、出ちゃってた？



「早かったですね。」



「そう？」



冷蔵庫から買ってきたミネラルウォーターを出して、ごくごく飲んでる。



ラフな部屋着。



半袖から伸びる白い腕。



濡れ髪。



顔色はやっぱり良くなくて、気怠い雰囲気。



でも……そんな玉森さんは、不謹慎だけど「美しい」って形容詞がぴったりで、なんだかドキドキしてしまう。



撮影の時だって、いろんな玉森さんを見てるのに……この自宅の雰囲気に呑まれてる。



いけないいけない、、、私ってば。






「あの……この冷凍のご飯、チャーハン作るのに使っていいですか？」



頭の中を軌道修正。



「うん。テキトーにやって」



そして玉森さんは、ダルそうにそのままソファーに寝ようとするから……



「ダメです、そこで寝たら！髪もちゃんと乾かさないと。もっと熱が上がっちゃいます」



玉森さんは、ムーって表情でめんどくせーな…ってポツリ。



「……じゃあ、Aちゃん乾かして？」



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