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「今日は、一段と楽しくお酒が飲めたよ。」
「はい、、ありがとうございました。」
「契約の詳しい話もあるし、場所を変えて飲み直そう。」
確かに………肝心の話をほとんどしていない。
「………私は、ちょっと飲みすぎたので今日はこの辺で。」
そう話すのは田中さん。確かに足元が少々ふらついてる。
「大丈夫ですか?」
「ああ、何とか。。。すみませんが、Aさんはもう少し廣瀬とお付き合い願います。」
田中さんにそう言われて、思わず「はい、」と答えた。
一瞬、田中さんと廣瀬さんが目を合わせた。
廣瀬さんは同じくらい飲んでるけど、全く変わった様子はない。お酒にはかなり強いみたい。
同じペースで飲まなくて良かった、、、もちろん、そんなに飲めないけど。
田中さんと別れて、私は一旦化粧室へ。
少し頭がぼーっとするから、パウダールームに置かれたゴージャスな椅子に座って、フーっと息を吐く。
鏡の中の私は、やっぱり少し酔ってるのか、頬が少し紅い。
バッグからスマホを出してチェックすると、高嗣からの連絡。
1件の着信とメッセージ。
すぐに内容を見る。
『今、そっちに向かう』
『とりあえず、ヒロセと2人きりにならないで』
え?どういうこと?
慌てて高嗣に電話する。
でも、こっちに向かってるっていうし車の運転中なのか電話には出ない。
仕方なく『これから廣瀬さんに飲み直そうって言われて、2人でもう1件行くところだけど…どうしよう。』って、メールした。
廣瀬さんを、あまり待たせるわけにも行かない。
どうしたら、、、
急用ができたからって断ろうかな、、そんな風に考えながらエレベーターの前で待つ廣瀬さんのところに戻る。
「じゃあ、行こうか。」
「えっと……すみません、、今日は急用が、、、」
言いかけたところにエレベーターが到着して、ゆっくりと扉が開く。
廣瀬さんが、左手で私の腰を抱くようにエレベーターに乗り込む。
「部屋でゆっくり飲みながら、これからの話をしよう。」
ポケットから出したのは、カードキー。
え、別の店に行くんじゃないの?………
客室フロアのボタンが押される。
「君も子供じゃないんだし、わかるだろ?」
ちょっと待って!どういう事?
「これはビジネスだよ。」
ニヤリと笑う。
………エレベーターが止まった。
え、、、高嗣………どうしよう、やだよ。
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めろん(プロフ) - にかはるかさん» ありがとうございます(^^♪私にとっても思い入れのある2人なので、完結してちょっと淋しくもあります。まだノープランですが、2人の未来をゆっくり考えてみますね。 (2019年10月24日 10時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 完結おめでとうございます!2人の関係がすごく好きでした。最後は号泣でした。高嗣サイドも続編も短編も待ってますので宜しくお願いします! (2019年10月23日 10時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - りっちゃんさん» ありがとうございます!後半は少しハラハラさせてしまってゴメンなさいw。私的にも、ゆっくり柔らかく愛を深めていく2人を描きたかったので、伝わってくれてるとすごく嬉しいです。 (2019年10月7日 12時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃん(プロフ) - 連載お疲れ様でした!!すごく良いお話でした…。ほっこりするというか、にかちゃんと主人公ちゃんの間には、ゆったりほんわかした雰囲気や空気感が感じられました。読んでいてハラハラする時もありましたが、読み終わるとほんわかした気持ちになることが多かったです。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: 3f1fc3d1a7 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - ひよさん» ひよさん、あたたかい言葉ありがとうございます。そして「にかちゃんがにかちゃん」って言って頂けてホッとしています♪続編、まだノープランですがwゆっくり考えますね! (2019年10月6日 1時) (レス) id: 657646c020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2019年6月25日 17時