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その瞳の奥がゆらゆら揺れてる。
そして視線を落とすと、私の胸元のネックレスに触れた。
「これ、しててくれて、、すげー嬉しかった。」
ほんの少し、肌に触れただけの高嗣の手の熱さに、ドキッとした。
「………うん。」
さっきまで、あんなにおしゃべりしてたのに、、、それ以上言葉が出てこない。
だって、やっぱりこのネックレスを外すことなんて出来なくて。
いつまで経っても、高嗣を思い出に変えるなんてできない事を、ドイツにいて嫌って程感じてたから。
高嗣が私の頭を自分の肩へそっと引き寄せる。
「俺ね、、Aちゃんに逢えなくなって、もうダメなのかなって何度も思って、、、忘れなくちゃって思う度に、ずっと苦しくて。」
「………。」
「俺たち偶然みたいに出逢って、また逢いたいって思ったけどあえなくて、、、なのにあんな風に再会して。これって運命じゃん…って思ったことだってあったのに、、、」
ボソボソと低い声で、心の中を絞り出す様に話す高嗣に、胸がいっぱいになる。
「Aちゃんが急にいなくなって、こんな苦しい気持ちになるなら、あの時再会しなきゃよかったのかなって思ったりもしたけど、、でも、、、やっぱ何度考えても、Aちゃんに出逢わなきゃよかったなんて1ミリだって思えなくて。」
それは、、私がドイツでずっと………自問自答していたことと同じだったから。
「だからね、、もうそれからは無理に忘れようとするのはやめたの。このまま自然に思い出になっていくかもそれないし、、、、でも、いつかまたどこかで逢えるかもしれないし。
自分の気持ちは無理に曲げたりせず、自然に任せようって決めて。
運命とかって訳じゃないけど、、、俺とAちゃんを、まだ何か繋ぐものがあるなら、、、きっとまた逢える、って。」
高嗣の真っ直ぐな気持ちが伝わって、いつのまにか溢れてくる涙が止まらない。
「ゴメン、また泣かせちゃった、、、」
「大丈夫、ちょっと今日は涙腺壊れちゃっただけ。」
鼻声で答える私に、高嗣が笑顔を見せる。
「フフ、、だからね、Aちゃんが、全然変わってなくて、、、嬉しかった。」
ハニカミながら、私に告げる。
「高嗣は、、、前よりもっと、ずっと、、、カッコ良くなったよ。」
泣き笑いでそう返すと、照れたように笑った。
そして、私の涙を高嗣の細い指が掬い取ると、そのまま瞼に優しくキスをした。
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めろん(プロフ) - にかはるかさん» ありがとうございます(^^♪私にとっても思い入れのある2人なので、完結してちょっと淋しくもあります。まだノープランですが、2人の未来をゆっくり考えてみますね。 (2019年10月24日 10時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 完結おめでとうございます!2人の関係がすごく好きでした。最後は号泣でした。高嗣サイドも続編も短編も待ってますので宜しくお願いします! (2019年10月23日 10時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - りっちゃんさん» ありがとうございます!後半は少しハラハラさせてしまってゴメンなさいw。私的にも、ゆっくり柔らかく愛を深めていく2人を描きたかったので、伝わってくれてるとすごく嬉しいです。 (2019年10月7日 12時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃん(プロフ) - 連載お疲れ様でした!!すごく良いお話でした…。ほっこりするというか、にかちゃんと主人公ちゃんの間には、ゆったりほんわかした雰囲気や空気感が感じられました。読んでいてハラハラする時もありましたが、読み終わるとほんわかした気持ちになることが多かったです。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: 3f1fc3d1a7 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - ひよさん» ひよさん、あたたかい言葉ありがとうございます。そして「にかちゃんがにかちゃん」って言って頂けてホッとしています♪続編、まだノープランですがwゆっくり考えますね! (2019年10月6日 1時) (レス) id: 657646c020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2019年6月25日 17時