INNOCENT DAYS ４

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改めて簡単な自己紹介と、今日の生徒さんの発表を見た感想、それから、、、アルバムの話をした。



「今日は、そのアルバムに収録される曲の中の1曲を披露させていただきます。

私が作曲したオリジナル曲です。

元々、留学中に課題として作った作品を、、、たまたま今日お見えになっているタチバナトウキョウの橘会長に聞いていただき、ありがたいことにアルバムに収録させてもらえることになりました。

曲のテーマになっているのは、“過去と未来”です。」





いろんな事が、頭に浮かぶ。





「私にとってピアノは、すごく大切なものです。

でも決して良いことばかりではなく、今までの人生の中でピアノを通して挫折もたくさん味わいました。出逢いや別れ、、、時には自分らしくいられない日々もありました。

でもそんな様々な感情を受け止めて…またピアノに向かう事で、音楽が私自身を少しずつ成長させてくれているように感じています。」







脳裏をよぎったのは、、、高嗣の笑顔。



2人が出逢った日の、落ちる夕陽に照らされたオレンジ色のシルエット。



焦燥感に駆られた日々に出逢った、迷子の子犬みたいな高嗣の笑顔が、不安ばかりの日々に、、、小さな灯りをともしてくれた。






それから数年後、再会して、、、変わらない笑顔に惹かれる気持ちをどうしても止められなくて、、、恋に落ちた。






この曲は、、、ホントは高嗣との出逢いから、2人の日々を想いながら作った曲。



ドイツに行って、忘れたいと思うのに、どうしようもなく高嗣への気持ちが募って。



泣きたい気持ちを浄化させるように、受け止めて、、、ピアノに向かった。






2人で一緒に過ごした幸せな時間。



真っ直ぐで純粋な高嗣が、あの時私に忘れかけたピアノへの情熱を思い出させてくれた。



そんな風に、もう一度……素直な気持ちでピアノに向き合った。








高嗣が、これからも笑顔でいられますように。



2人の道は別々の方に進んだけど、誰かが高嗣を守ってくれますように。



曲を作りながら、、祈りを込めた。



そしていつか、、、生まれ変わった先の未来でいいから、、、また出逢えますように。







過去と未来が、私の胸の中で重なり合って共鳴する。



そうして、気持ちのひとつひとつを紡いで、、旋律になった。






「この曲が、そのままアルバムのタイトルにもなりました。


それでは、聴いてください。



………『INNOCENT DAYS』です。」





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