INNOCENT DAYS ４

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2年間4ゼメスターの留学は、まずドイツ語漬けの日々。



日本でも幸いドイツ語を選択していたけど、やっぱり授業で学ぶそれと実際に使える言葉は別物で、午前中は語学中心の学習。



まるで語学留学に来ているかのような気分。



でも友達と毎日授業後にランチして、時々は休日に一緒に遊びに出掛けたりしてドイツ語を話す機会が増えて、だんだんと意思疎通もできるようになってきた。



それから午後は夜7時位まで、和声学や音楽史の基礎科目、メリナの元で毎日たっぷりとピアノ。



学校が終わるとほぼ毎日、どこかのコンサートへ足を運んだ。



ここには数多くのプロのオーケストラや歌劇場があって、素晴らしい演奏会やオペラ、バレエなどがどこかで毎日開かれていて、学生はだいたい10ユーロ1000円程で聴ける恵まれた環境。



一流の音楽に気軽に触れることが出来る、贅沢な日々を送れた。



それから帰宅して、語学の宿題をこなしてから、またピアノ………そんな風にあっという間に毎日が過ぎた。



2ヶ月に一度ほどのペースで行われる学内の演奏会には、一般のお客さんもたくさん来て、自分の成果を発表するいい機会にもなった。



日本では、こんなに広いホールで演奏する機会はめったにないから、舞台経験も豊富に積むことが出来たし。



大学の教室の外には中庭があって、いつも小鳥のさえずりが聞こえて、春には野うさぎの親子がピョンピョン飛び跳ね、秋にはリスが目の前の木を駆け登る………まるでおとぎ話の様な環境。



広くて澄んだ青空、突然の雷雨、そして雨上がりの夕焼け。



その分冬の寒さは厳しかったけど、窓辺から見るドイツの四季の美しさが心を豊かにしてくれるみたいだった。






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日本からはちぃちゃんが、私が淋しくならないようにって頻繁にメールをくれる。



そして、頼んだわけじゃないのに送られてるCDやテレビ番組を録画したDVD。



「ニカ、頑張ってるよ」ってメッセージ付きで。



でも、、、ファンとして応援するって決めたのに、正直まだ怖くて見ることが出来ない。



………ピアノに集中している気持ちが、崩れてしまいそうで。



私が1度は諦めたピアノへの情熱を取り戻せたのは、紛れもなく高嗣のおかげで、、、ここでこうしているのだって、高嗣の存在があったからこそなのに。





だからいつも、感謝の気持ちだけは忘れないように。





そんな風に高嗣のこと想っているくらいは………許されるよね？




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