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日照時間が短くなると、空にはこれまで以上に厚く重い雲がかかって、凍えるような寒さの冬がやって来る。



太陽があまり出ないと気持ちが沈みがちになるけれど、ドイツの冬の風物詩でもあるクリスマスマーケットは、美しい装飾と光のイルミネーションで活気に溢れて、長い夜を楽しみに変えてくれる。



だけど去年と違って、今年はコンクールを控えて練習練習の毎日。



なかなか出掛けられなかったけれど、メリナ先生の都合で半日のオフが出来たから、気分転換も兼ねて一番仲良くしている友達のエマとクリスマスマーケットに繰り出した。



屋台には手作りの木製おもちゃや可愛いハート型の焼き菓子、それにクリスマスのオーナメント、、、色とりどりのものががたくさん並んでいて、何だかウキウキした気持ちになれる。



焼きたてのソーセージを食べたり、赤ワインに香辛料やシロップを入れた温かいグリューワインを飲んだり。



束の間、クリスマス前の陽気な雰囲気を楽しむ。



いつか高嗣と来れたらいいな……なんて。何を見ても、高嗣の顔が浮かんでくる。



最近は私からはピアノの話しかしてないし、高嗣も仕事が忙しいみたいだし。少しでもクリスマスの楽しい雰囲気が伝わればいいなって、たくさんの写真をメールで送った。



自撮りは苦手だから、エマに撮ってもらった写真も一緒に。








その日の夜は、珍しく天気が良くて。



もともとドイツは省エネ意識が高いから、日本に比べると外灯もネオンも少ない。



だから、光に溢れたマーケットの広場を少し離れたら、空には満天の星が輝いてるのが見えた。



まるでプラネタリウムみたいで、思わずエマと一緒に「きれい!」って声が出てしまう程。






アパートに戻ってからも、カーテンを開けるとたくさんの星が見えた。



そして、さっきは登っていなかったまあるい月がポッカリ空に浮かんでる。



冬の澄んだ空気の中、青白く輝く光。



ドイツに戻るとき、高嗣の事を想いながら飛行機の中から見た月を思い出した。







照明を消した部屋に、その月の光が射しこんで部屋全体をほんのり幻想的に染める。



一瞬、この月を高嗣も見てるかな?って考えて、、、もうすぐこの時間は日本は朝だって気が付く(笑)








……………高嗣に逢いたい。





急に、そんな想いが込み上げる。





溢れてくる気持ちが止まらなくなって、、、ギュって胸を掴まれたように切なくなる。





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*3→←月の光*1



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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 二階堂高嗣 , ニカ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:めろん | 作成日時:2020年8月6日 12時

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