INNOCENT DAYS ３

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“俺が行ってたこと気付いてたの？”



びっくりして思わず返信した。



今日のAちゃんが、まだ鮮明に頭ん中グルグルしてる。



あれからずっとモヤモヤしてるけど、演奏に感動した気持ちは嘘じゃない。



“まみちゃんのピアノ、スゲー”



そのことを伝えたくて、拙い言葉を並べて今日の感想を送る。



だけど打ちながら………なんか違うって想い。






帰り支度を済ませて、今日は寄り道する気も起きなくて………真っ直ぐに家に向かう。



マンション近くのコンビニでビールを買って、駐車場でふともう一度メールを確認する。



俺の送ったメッセージはまだ未読のまま。






たぶん、




きっと。





直接顔見たら、こんなこと言わないのに、、、





“Aちゃんがスゴすぎて知らない人みたいだった”



ふとメールだったからか、伝えてしまった本音。




“俺らのライブの後に、Aちゃんが俺のこと「遠い人みたい」って言ってた気持ちがちょっとだけわかった”



こんな風に打ち込んで読み返したら、なんか重っ…て気がして、慌てて “なーんてね”って付け加えて適当なスタンプも打ったけど。








そう、、、そうなんだ。



Aちゃんが、初めて俺たちのライブを見た時………たぶん泣いてたよね。




あの時、どんな気持ちだったの？



普段あんまりホントの気持ちを見せないAちゃんが、あの日「逢いたかった。」って言ってくれたことが、、、俺はただ嬉しくて。





よく「ライブの時は別人みたいだね。」って言われる言葉は、ほとんどが誉め言葉で。



でも、大切な人から言われるそれは、もっと違う複雑な想いが込められてる事。



頭ではわかってたつもりだったけど、、、たぶん実際は俺が思ってたよりもっと………淋しくていろんなこと不安だったのかも。






Aちゃんのホントの気持ち、ちゃんと受け止め切れていなかったのかもしれない。




………………逢いたいな、Aちゃんに。




ただAちゃんに逢いたくて、、、
ギューって抱きしめたい衝動に駆られる///。







スマホの画面を見つめながらそんなこと考えてたら、俺の送ったメッセージに一斉に既読が付いてちょっとビビった。



………今、読んだよね、、Aちゃん///。



びっくりしてドキッとして、、、恥ずかしくなって慌てて画面を閉じた。







そしたら……ピコンッて音と




“これから行く”




Aちゃんからのメッセージ///。



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