INNOCENT DAYS ３

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ただ、ステージに立つAちゃんを見たいっていう少しの好奇心と、やっぱ大切な人が頑張ってるのを応援したいなっていう単純な気持ち。




スケジュールの都合もあるし、行けるかわかんなかったけど、思い切って木崎さんに連絡してとりあえずチケット押さえてもらった。



木崎さんは「了解！」って、多くを聞かずに察してくれて……やっぱ対応がオトナ。



このところレッスンで俺よりもAちゃんといる時間が長そうな木崎さんに、ちょっとだけジェラってた自分が心底子供に思える。






今日のスケジュールは7人で撮影の予定で少々流動的。



行けるかわかんないからAちゃんには言えなくて………かといって、今日みたいな撮影の日は長い待ち時間が出来ることも多いから、絶対ダメって日でもない。



俺も内心祈るような気持ちで、空き時間が出来るのを待った。



そしたら思いが通じたのか前半の撮影が順調に終わって、奇跡的に夕方まで長めの待ち時間が出来て。



木崎さんから聞いてたAちゃんが演奏する時間にギリギリ間に合いそうだったから、少し出てくるってマネに伝えて急いで車を飛ばした。





ホールに着いて会場の最後尾にある扉をゆっくり開くと、ステージにはちょうどAちゃんがいた。



鮮やかなグリーンのロングドレスがめっちゃ似合ってて、大人っぽい。



遠くてよくわかんなかったけど、Aちゃんが動いた時に胸元にキラッて光ったのは俺とオソロのネックレス？



木崎さんが取ってくれた席は、扉から近い場所で暗くてもすぐわかったから、念のために被ってたキャップをとって席に着いた。





ピアノの前に座って、深呼吸するAちゃん。



集中してるのがよくわかる。




その先はもう、、、Aちゃんのピアノに対する情熱が痛いくらい伝わる、彼女だけの世界で。



クラシックの事なんか全然わかんない俺でも、グングン引き込まれて………その繊細な世界に目を、耳を、、心を奪われたみたいに、、、ステージのAちゃんに首付けになった。



すごっ。



ボキャ貧な俺じゃそれ以上の言葉が出ないくらい、ここは自分が今まで知らなかった世界。



彼女がピアノを弾くところは、もう何度も見たけど………今日は何だか、俺の知らないAちゃんを見てるみたいだ。





演奏が終わって、会場が喝采の拍手に包まれる。



ステージ上のAちゃんはキラキラして眩しくて、、、さっきからなんか俺、ドキドキしてる。



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