INNOCENT DAYS ３

＊126〜Side:2 ページ29

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Aちゃんて甘えるのが下手くそ。



相手に気を遣い過ぎて、自分の気持ちはいつも後回し。



Aちゃんの方から「逢いたい」とか「どこか連れてって」とか、ほぼ言われた記憶ないしw



“女の子と会うのは月2回で十分”………とか言っちゃてる俺のキャラ、もしかして気にしてる？笑


もちろん、ホントに忙しくてムリな時もあるけど、、、、もっとわがまま言ってくれていいのに。




考え方とか俺よりずっとしっかりしていて大人だし、物分かり良すぎて。


元々そんな性格なのか、それともやっぱ俺に気ぃつかっちゃってるのか。



会いたい会いたい……ってあんまりしつこく言われて、めんどくせーって思うこともあった過去の自分。



天邪鬼なのか、こうやって逆に言われないと、俺じゃダメなのかな？って何か不安になったりして。。。自分勝手なのは、わかってるけど。


でもそれは、やっぱり相手がAちゃんだからだよ。






だからさ、、、


一度は“おやすみ”って、終わらせたメールだったのに………ずいぶん経ってからたった一言“眠れない。”って送られてきた言葉が、なんかすっげー嬉しくて。



ピアノのことはわかんない俺だけど、Aちゃんにとって明日が大事な日だってことはもちろんわかる。



……緊張してんのかな。


眠れなくて、俺のこと考えてた？


俺に逢いたいって思ったの？


Aちゃんの、ちょっと困ったようなはにかんだ笑顔が思い浮かんで、思わず電話した。





「眠れないの？」


「うん、ごめん、、、起きてた？」


「え？うん、まだ全然。テレビ見てた。」


Aちゃんの声を聞いてニヤケそうなのをこらえて、ちょっとだけクールに話す。



「もしかして、緊張してんの？笑」


「………うん、たぶん。」


「フフ、Aちゃんでも緊張すんだね。」


「もう、何それ。」



そんな風に、意味があるのか無いのかわからないようなやりとりが続く。


今見てたテレビのこと、仕事中の笑える話、、


敢えて、ピアノのことには触れずに、Aちゃんがちょっとでも笑ってくれるといいな、って楽しい話だけをする。




「なんか、だんだん眠くなってきた………」


「眠れそ？」


「うん、、、たぶん。」


「何それ、たぶんって」


フフフ………って笑う。







電話越しに、Aちゃんに魔法をかけてあげたい。



ぐっすり眠れますように。


明日、、、頑張れますように。







次、笑顔で逢えますように。



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