INNOCENT DAYS ３

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そっか………高嗣と木崎さんは、お互いの連絡先を知ってたんだっけ。



そもそも私が高嗣と再会したきっかけは、木崎さんだし。



2人にどんなやり取りがあったのかまではわからないけれど、何だか想像するとくすぐったい。



木崎さんが詳細な時間の連絡をしてくれたおかげで、あんなピンポイントで高嗣も見に来れたんだ。


おかげで、周りの誰にも気付かれていなかったと思う。






「じゃあ、またあとで。」



審査結果が発表になる時間がだんだん近付いてきて、木崎さんが戻っていった。









このピアノコンクールは決して規模は大きくないけれど、私みたいなセミプロでもエントリーできて、出場の門戸が広い。



それに入賞者への副賞も良くて近年人気が高まってるから、6人のファイナリストにまで残れただけでもすごい事。



それなのに。









第3位から順番に発表された入賞者。



………第1位に呼ばれたのは、



「エントリーナンバー5番、白石Aさん。」



私の名前で!!





びっくりして、そこから先は頭が真っ白になって………審査員の先生の講評が全くと言っていい程耳に入って来なかった。



フワフワしてる頭の中に、会場を後にした高嗣の後ろ姿が浮かんで……ただ“早くこの結果を伝えたい”って思った。






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「おめでとう！」



「すごかったよ。」



みんなが口々に賛辞を述べてくれる。



あれから木崎さんとちいちゃんが仕切ってくれて、急遽開催された祝賀会という名の気心の知れた仲間でのお食事会。



明日は入賞者の演奏会とレセプションパーティーも控えてるから、あまり羽目は外せないけど(笑)



でも今日そのまま帰るはずだった父と弟も予定を変更して、近くに宿をとって明日まで滞在してくれることになった。



「まさか、ねーちゃんが優勝とはね！」



相変わらず生意気な物言いの弟。



でも本当は大学での勉強も忙しいはずなのに、こうやって父を連れて来てくれたり気に掛けてくれてる事、感謝してる。



お互いゆっくりと話…って訳にはいかないけど、やっぱり顔を見ただけで安心できるのは家族だからかな？



普段口数の少ない父にも、今日の演奏を見てもらえて、結果も残せて………少しは安心させてあげられたかな？






そして気になるのは高嗣。



今日はすごく忙しいって言ってたはずなのに、わざわざ見に来てくれて。



とりあえず早く伝えたくて、結果だけはすぐにメールしておいた。



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