INNOCENT DAYS ３

＊120〜☆DIVER ページ23

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例年よりもかなり早い梅雨明け。



強い日差しに目が眩みそうな、夏の訪れ。



コンクールの予選を無事に通過して、木崎さんと相談して次の本選で私が弾く曲を課題曲数曲の中から決めて、またピアノ漬けみたいな日々。



………だけど、今はそれを楽しいって感じられる。



難解な曲と向き合うのは正直苦しさもあるけれど、目標を持って頑張って、ステップを一つ一つクリアするごとに充実感を得られる。


シンプルだけど、ピアノが好きだって思える。








エアコンの効いたビルから外へ出ると、夕方でもまだ昼のアスファルトの熱さを残した空気が肌に纏わりつく。



その日、昼休みに向かった駅近くの本屋さん。



専門のコーナーに向かい、目的の本を探す。



………………/////あった。。。





手に取ったその本の表紙が目に入ると、心臓がドキドキと早鐘を打つ。



それはスキューバダイビング専門の月刊誌。



表紙を飾っているのは、、、真っ直ぐな眼差しでこっちを見てる、高嗣。






思わず息を飲む。



美しさすら感じさせる彼の姿に、早鐘みたいな胸の鼓動が収まらない。



大きく深呼吸すると、ほんの少しだけおとなしくなった心臓を感じて、その本をレジに持っていく。



そしてそのまま本屋さんに併設しているカフェに入って、ランチしながら本を開いた。





………………/////。





ドキドキしながらページをめくる。




1枚1枚の写真に目を奪われる。





いつもテレビや雑誌で見る“ニカちゃん”は、ちゃんとアイドルのスイッチが入っていて……私が知ってる高嗣とは、どこか違う人の様な気がしてたけど。





そこに写ってるのは、アイドルではない大自然を前にした一人の男の人で。



すごく男っぽかったり、子どもみたいに無邪気で優しい笑顔をしていたり。





…………大好きなダイビングのお仕事が決まって、ロケに行ったって話は聞いてたし、可愛いガラス細工のお土産ももらった。



でもそれぞれに忙しく過ごしてたし、こんなに素敵なお仕事だったなんて詳しくは聞いてなかったから。





優しく笑ってる写真を見て、何だか泣きそうなくらいキュンってしてしまう。



ふと、時々すごく楽しそうに自分で撮影した水中写真を見せてくれる時の笑顔を思い出す。






きっと私が思っている以上に高嗣は海が大好きで、海の生き物たちに癒されてるんだろうな。







そして、ずっと気になっていた…………高嗣の胸元のネックレス。




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