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「Aは気が付いた?」
一瞬、何て返事していいか迷う。
「うん……もしかして、って思った」
当たり障りなく答える。
「やっぱいたんだ。Big Dipperに」
ニカも噂のこと、知ってたんだね。
「俺さぁ……すっげーファンだったの、ポラリスの。メジャーデビューする前から、ライブ行ったりして」
その瞳が、少年みたいにキラキラしてる。きっと本当に好きだったんだね。
もしかしたら昔、ライブハウスで会ってたのかも……なんて頭の中で考える。
「ミツのギターに憧れて、高校でバンド始めて。でもギター希望多すぎて、俺ベースになっちゃったんだけど」
「アハハ……それは残念」
「でも、めっちゃ楽しかったけどね」
そう言って、当時の音楽活動のことをあれこれ話してくれる。
「ポラリスもさ………あんなことになってなければ、今頃どうなってたのかなって、時々考えるよ」
「………うん」
「でもさぁ、ミツがここで働いてるなんて、やっぱテンション上がるわ」
「おい……
いつの間にか、横尾さんが隣に戻って来ていてドキッとする。
「ここではもう、、、ミツじゃねえから。その話すんなよ、本人に」
研修の時みたいに、ちょっと厳しい表情でニカに声を掛ける。
「あ、はい」
社内ではポラリスの話はするな、って……暗黙のうちに念を押されたみたいで。
「ていうか、あそこで潰れてるぞ、お前の相棒」
横尾さんが指さす方を見ると、少し離れた先のソファーで千賀君がぐったりして今にも寝そうになってて、志津ちゃんが困ってる(笑)
「わ、千賀のやつ、飲みすぎたな」
千賀君はかなり天然だけど、気持ちが純粋ですごく真面目。
アルコールはあんまり強くないのに、きっと先輩方から勧められたお酒を断れなかったんだろうな。
心配そうに千賀君に駆け寄るニカを、横尾さんがフフって笑いながら見てる。
「あいつら、いいコンビだな」
研修の時はいつも厳しい横尾さんだけど、こうして常に周りに気を配ってるし、きっと本質は面倒見が良くて優しい人なんだと思う。
「一之瀬さんは……知ってたの?ミツがここで働いてること」
その話はするなって自分で言ったのに。
「いえ、、、でも、ネットでの噂は見たことがありました」
「そっか」
「ミツさん、、、元気そうで良かったです」
「うん。あれからもう……7年?……早いね」
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めろん(プロフ) - nanacoさん» 初めまして!…というかnanacoさんはnanacoさんなんですね!←(笑)私、よく読ませて頂いております♪一気に読んで頂いたなんて嬉しいです。更新頑張りますね(*^^*) (2020年8月25日 12時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 初めまして(*´ω`*)♪ おすすめの欄で見かけて一気に読ませて頂いたのですが……登場人物の関係性や設定がすごくワクワクするもので、過去を振り返りながら進んでいく今、という描写の仕方がすごく好みです(TT) 続きも楽しみにしております (。>ω<) (2020年8月25日 0時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - チーにゃんさん» チーにゃんさん、コメントありがとうございます。そして、名前のアドバイスも!!まだ思案中なので、参考にさせてもらいますね♪続きも頑張ります。 (2020年7月27日 0時) (レス) id: 230cd38611 (このIDを非表示/違反報告)
チーにゃん - いいお話しでした。あとは大倉君のあだ名ですが、親戚からは、たーちゃん、ただよっちゃんと呼ばれてる見たいなので、どうですか?続き待ってます。 (2020年7月26日 3時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2020年7月7日 12時