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いた、、、、
思わず、心の中でつぶやいていた。
本当にいた。
心臓がドクンと高鳴る。
やっと、、、会えた。
ポラリスが解散して、いろんな噂が流れたけど、、、数年経ってギターのミツは所属レコード会社のスタッフになった、って聞いたことがあった。
当時の金髪は、ナチュラルな優しい茶髪に。
長めの前髪はスッキリ整えられて、バンドマンだったあの頃の面影はほとんどない。
もうスーツが似合う、大人の男の人だ。
私達に気付いたミツが「もう帰るから、ここどうぞ」って席を空けてくれる。
横尾さんと何か打ち合わせをしてたみたいで、テーブルの上の資料を片付け始めた。
「ああ、こいつは宣伝部の北山 宏光」
横尾さんが紹介してくれるから慌てて私と志津ちゃんも挨拶する。
志津ちゃんは、ミツだって事には気付いていないみたい。
「新人の一之瀬Aです。よろしくお願いします」
「ン、、北山です。よろしく」
そう言って、目尻にしわを寄せて柔らかく笑った。
「少しだけ飲んでけば?」
横尾さんが、ミツ……じゃない、、、北山さんに言う。
「いや、これ今から仕上げないと間に合わないから戻るわ。」
「そっか、了解」
「じゃ、ゆっくり楽しんで?」
北山さんは、もう一度私達の方に声を掛けると行ってしまった。
その背中を見送っても、しばらくの間ずっとドキドキしたままだった。
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時間が来てスタートした新人歓迎会。
……といっても、イメージするような一般的な飲み会の感じではなくて……ほとんど自由なパーティーって感じ。
とにかく圧倒されて、声を掛けてくれる先輩にやっと挨拶するのが精一杯。
だけど、社交的な志津ちゃんはあっという間に溶け込んで、先輩たちと楽しそうに話してる。
横尾さんが席を外してテーブルに1人になってしまって、ちょっと人見知りな私は、いよいよどうしていいのかわからなくなる。
戸惑ってると、隣の席にスッとニカが座った。
「あ〜ダメだ!ちょっと飲みすぎたかも。」
フ〜って息を吐いて、ネクタイを緩めてる。
「Aは?飲んでる?」
「ん、、、なんかこの雰囲気に圧倒されてる。」
「だよな〜。」
そう言いながらも、ニカはケラケラと笑ってていつも楽しそう。
「な……さっき、ここに座ってたの……ミツだろ?ポラリスの。」
ニカは気付いたんだ。
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めろん(プロフ) - nanacoさん» 初めまして!…というかnanacoさんはnanacoさんなんですね!←(笑)私、よく読ませて頂いております♪一気に読んで頂いたなんて嬉しいです。更新頑張りますね(*^^*) (2020年8月25日 12時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 初めまして(*´ω`*)♪ おすすめの欄で見かけて一気に読ませて頂いたのですが……登場人物の関係性や設定がすごくワクワクするもので、過去を振り返りながら進んでいく今、という描写の仕方がすごく好みです(TT) 続きも楽しみにしております (。>ω<) (2020年8月25日 0時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - チーにゃんさん» チーにゃんさん、コメントありがとうございます。そして、名前のアドバイスも!!まだ思案中なので、参考にさせてもらいますね♪続きも頑張ります。 (2020年7月27日 0時) (レス) id: 230cd38611 (このIDを非表示/違反報告)
チーにゃん - いいお話しでした。あとは大倉君のあだ名ですが、親戚からは、たーちゃん、ただよっちゃんと呼ばれてる見たいなので、どうですか?続き待ってます。 (2020年7月26日 3時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2020年7月7日 12時