空から降るラブソング

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玉森さんの出演する映画は、Big Dipper映画事業部制作の作品。



主題歌も自社レーベルのアーティストだし、制作スタッフは「製作委員会」として、社内と関連各社でプロジェクトチームが組まれている。



今日は、社内で開かれるその委員会のミーティングで、森川さんに付いて私も初めて出席する。



やっぱりちょっと緊張する。



ミーティングルームに入ると、既にニカが着席してるのが目に入った。



そして、その隣にはミツ、じゃない……北山さん。



この間ニカから、この映画のプロモーション担当の北山さんの下に就くことになったって、興奮気味のメールが届いていて、気合いが入ってるみたいだった。



だからかな？私と同じように、どことなく緊張気味の表情。



でも顔を上げた瞬間、私と目が合うとフニャっと安心したような笑顔を見せた。






今日の打ち合わせでは、全体の進捗状況の確認と宣伝コンセプトやターゲットに合わせたプランの報告が行われる。



間もなくクランクインするタイミングに合わせて、マスコミへの情報出しが行われるため、どの媒体にどんな内容で解禁すればより効果的か、作品を認知してもらうためのプロモーションについて詳しく説明があった。



担当のメインは北山さん。



話す声は柔らかくて、ポイントを押さえて的確にプレゼンする無駄のない話術。



キリっとした眼差し。



今日は外部の人も多いからか、スーツを着ている。



ダークめな背広と、清潔感のある白シャツ、ストライプのネクタイ。



その立ち姿は、どこからどう見てもやっぱりきちんとした社会人で、、当たり前だけど「ポラリスのミツ」ではない事を感じる。





気が付けばつい、、、正面のモニターではなく、その横で話す北山さんを無意識に目で追ってる私。



………いけない、ちゃんと集中しないと。









製作委員会のミーティングが終わって、ニカに「ランチ一緒に行かね？」って声を掛けられた。



午後もこのまま社内で仕事だから「行く！」って二つ返事。



するとその横に、スッと現れた北山さんにニカが



「あ、、こいつも一緒にいいっすか？俺と同期の一之瀬………



って、確認してる。



「ん、いいんじゃね？」



ニカの言葉を遮る様にそう答えると、チラリと私を見た。



感情の無い目。



………え、北山さんと一緒？私だって聞いてない。




「スミマセン、、急に」



心臓がドキドキ言い出した。



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