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嘘!信じられない、、、
あわよくばって気持ちを込めつつ、冗談めかして言った言葉を……先生は覚えててくれたんだ。
「でも先生……誰が私なんかと行くか……って、言ってたのに。」
「行きたくねーんなら、別にいいけど。」
「ち、違います!行きます、もちろん行かせて頂きます!」
慌ててそう答えた私を見て、横尾先生はちょっとだけ口角を上げて微笑んだように見えた。
研究室のソファーに座って、先生の淹れてくれたココアを飲みながら仕事が終わるのを待つ。
あったかくて、何だかこの状況が幸せすぎて信じられない。
横尾先生が、西日を遮るためにブラインドを閉めると窓越しに見えていた景色が消えて、この閉鎖された部屋に2人きりだって事に今更ながら緊張が襲ってくる。
今までだって、研究室で2人きりだったことなんてたくさんあるのに。
でも今日はいつもと状況が違う。
ホントに私、横尾先生と2人で食事に行けるの?
「お待たせ。」
横尾先生と目が合う。
気のせいか、眼鏡の奥の瞳が優しい気がする。
いつか、猫に向けていた時と同じあの眼差しに、言葉が出ない。
「どこに行きたいか決めた?」
不意に横尾先生が私の隣に座って来る。
ち、近い!
「えっと、その、、、」
ドギマギしながら答える。
「その、、、横尾先生がいつもよく行ってるお店がいいです。」
「俺の?」
そう言って、横尾先生がプッて吹き出す。
「俺のよく行く店なんて、定食屋か居酒屋だけど。」
「そこがいいです!」
「………お前、ホントに俺が大好きだな。」
「え…どうして///?」
頬がカーッて熱くなる。
「そんなの、A見てれば一目瞭然だけど。」
さも当たり前みたいにあっさりと言い放つ先生。
「俺のことなめてんの?一応心理学の准教授なんだけど。」
横尾先生のゼミに入るために、恋心はバレないように隠してたつもりだったのに………恥ずかしすぎる。
「言ったでしょ、俺ホントは犬派だって。
お前、俺の言ったことに、いつもしっぽ振ってるみたいに嬉しそうにしてるし、従順だし。」
「/////。」
「………可愛すぎるんだけど。」
先生が優しく私の髪を撫でる。
びっくりして、嬉しくて、、涙がポロっと零れる。
「言ったでしょ、俺、すぐ泣く女………大嫌いだって。」
なのにそう言って、横尾先生は優しく笑った。
゚・:,。★゚・: END ,。゚・:,。☆゚.
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めろん(プロフ) - 花菜さん» 花菜さん、コメントありがとうございます!拙いお話しですが読んで頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年6月26日 0時) (レス) id: 230cd38611 (このIDを非表示/違反報告)
花菜(プロフ) - はじめまして。最近キスマイが好きになったのでたどりつきました。以前は嵐さんのお話が好きで色々読んでたのですが、つむさんのサムシングファイブの中の翔くんのお話と横尾さんのお話がそっくりですね? (2021年6月25日 21時) (レス) id: 0bb3add5b6 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - りっちゃんさん» わぁー「温かい」コメントに、私の気持ちもほっこりです(´▽`)ありがとうございます。これからの寒い季節もキスマイの冬うたであっためてもらいましょうね♪ (2019年11月23日 0時) (レス) id: 657646c020 (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃん(プロフ) - 渉くんのお話読みました!とてもほっこりして温かい気持ちになりました!寒い今の時期にぴったりだなと思ってしまいました;ω; (2019年11月22日 15時) (レス) id: 3f1fc3d1a7 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - piroponcandyさん» いえいえ、すみませんだなんてとんでもない。ありがとうございます。横尾さんの不器用だけど真っ直ぐな愛が伝わると嬉しいです。出来るだけはやく移行出来るよう頑張りますね! (2019年11月21日 22時) (レス) id: 657646c020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2018年8月21日 17時