＊2 ページ34
.
そんな私の片思いは実ることなく誰にも知られないまま、あっという間に2年が過ぎてまた春が巡って来た。
先生は案外モテて、密かに人気がある。
だってよく見たら(失礼!)端正な顔立ち、スラっとしてモデルみたいなスタイル。
でも講義中よく噛むし、そんなときはいつもの無表情がちょっとだけ照れたように変化する。
………可愛い。
そんな風に思う女子学生は案外たくさんいて、、、横尾先生のゼミの希望者は多い。
だけど、女の子はあんまり取らないって先輩から聞いてた。
ホントにやる気があるかどうか、面接で振り落とされるみたいで。
でも私は横尾先生の講義が好きだったから真面目に受けたし、1年の頃から積極的に研究室に出向いて質問したり、頑張って成績も「優」を勝ち取った。
そんな努力の甲斐あってか、3年になって私は横尾先生のゼミに入ることが出来た。
最近では時々、研究室で勉強以外の雑談もしてくれるようになった。
「先生、今度のテストで1番取ったらご飯連れてって下さいね。」
「は？誰がAなんかと!」
相変わらず口は悪いけど、軽い冗談も言い合えるようになった自分を褒めてあげたい位。
そんなある日の事。
授業を終えた帰り道、急に横尾先生から電話が掛かってきた。
なんだろう？怖い・・・
「今すぐ研究室来れる？」
電話の声すら無表情で、感情は読み取れない。
「はい、すぐ行きます!」
とにかく慌てて今来た道をUターン。
何やらかしちゃったっけ？私……。
また怒られるんじゃないかってドキドキする。
不安に駆られながら、研究室のドアをノックする。
「杉野です。」
「ああ、入って。」
研究室の奥の窓際で、積み重ねられた資料に目を落としていた先生がチラっと私を見た。
夕陽が逆光になって横尾先生を照らしていて、ふわっとした髪がオレンジ色に透ける。
「後少しで終わるから待ってて。」
そう言って、また先生はココアを差し出してくれた。
「ありがとうございます…………あの、それで今日は……、」
「今日なら行けるから。」
「は？行けるって、、、どこに？」
「どこにって、食事。店はまだ決めてないから、何食べたいか考えといて。」
「え？食事って誰が？」
「俺とAだけど。」
「えっ！」
びっくりしすぎて、大きな声を上げてしまった。
「だってこの間のテスト、Aが1番だったから。」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろん(プロフ) - 花菜さん» 花菜さん、コメントありがとうございます！拙いお話しですが読んで頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年6月26日 0時) (
レス) id: 230cd38611 (このIDを非表示/違反報告)
花菜(プロフ) - はじめまして。最近キスマイが好きになったのでたどりつきました。以前は嵐さんのお話が好きで色々読んでたのですが、つむさんのサムシングファイブの中の翔くんのお話と横尾さんのお話がそっくりですね？ (2021年6月25日 21時) (レス) id: 0bb3add5b6 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - りっちゃんさん» わぁー｢温かい｣コメントに、私の気持ちもほっこりです(´▽｀)ありがとうございます。これからの寒い季節もキスマイの冬うたであっためてもらいましょうね♪ (2019年11月23日 0時) (レス) id: 657646c020 (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃん(プロフ) - 渉くんのお話読みました！とてもほっこりして温かい気持ちになりました！寒い今の時期にぴったりだなと思ってしまいました；ω； (2019年11月22日 15時) (レス) id: 3f1fc3d1a7 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - piroponcandyさん» いえいえ、すみませんだなんてとんでもない。ありがとうございます。横尾さんの不器用だけど真っ直ぐな愛が伝わると嬉しいです。出来るだけはやく移行出来るよう頑張りますね！ (2019年11月21日 22時) (レス) id: 657646c020 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めろん
| 作成日時：2018年8月21日 17時
