True Colors ３

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残業で遅くなった日には、会社近くの居酒屋で遅い夕飯を兼ねながら2人で飲みつつ、機能性とデザイン性の両立について…とか、まだ商品の改善点を熱く語り合ったりして。



千賀君は私より5つも下だけど、その仕事に取り組む真摯な姿勢に、私もすごく刺激をもらった。



そうやってやっと完成させた商品は、発注店にずいぶん気に入られた。



納期にも無事間に合い、納めたその商品は当初の予定の3倍ものオーダーがあった。






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「お疲れ様〜！」



今日はいつもの居酒屋で、2人でプチ打ち上げ会。



グラスを合わせて乾杯する。



「百瀬さん、おめでとうございます。」


「なん言ってんの？千賀君が一緒に頑張ってくれたおかげじゃん！」


「いいえ、百瀬さんの商品に対する情熱とか、妥協せずに工夫を重ねるところとか…すごく勉強になりました。」


「私こそ、千賀君のおかげで…今回はなんか、初心に帰って取り組めたよ。すごく楽しかった。」


「僕も、、、なんか感動しました。作った商品が認められて、売れていって。」



何だ目元をウルウルさせて、感極まってたのかポロっと涙をこぼした。


そのきれいな涙にドキッとする。



「ちょ、ちょっと千賀君、こんなところで泣かないでよ！私が泣かしたみたいじゃん！」


「はい、、、」



そう言って涙をこらえクシャって笑う顔が可愛くて………不覚にもキュンってしてしまった。



「そ、その………千賀君は、、、今まで何か、デザインの勉強とかしてたの？」



慌てて話題を変える。



千賀君はデザインのことはもちろん、資材の受注手配やコスト交渉まで一連の流れをよく理解していて、即戦力としてとても助かったのは事実で。


「高校を卒業して………パリに留学してました。それから、フォルマシオンっていう実際に働く人の研修用の学校に移って、実際にフランスの企業内でスタージュ………あ、研修させてもらったり、、、」


「え、そうなの？すごいね。」



今まであまり聞いたことのなかった千賀君のこれまでのこと。


驚きを隠せなかったけど、そんなにしっかり勉強してきたならあの仕事ぶりは納得できる。



「それなのに、どうしてうちなんか？」


「まあ、いろいろと………。」


千賀君の口数が、急に少なくなる。


あまり話したくないのかな？




「本当は、俺………ダンサーになりたかったんです。」




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