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「今日も頑張ってね。」
そう言って玄関先で見送る私に、靴を履いた後振り返ると…一度カバンを置いて「ンっ」って両腕を広げる高嗣。
躊躇なくその胸に飛び込めば
「充電!」って言って、私をギューって包み込んでくれる。
玄関の段差の分だけ私の身長がいつもよりほんの少し高くて、何だか高嗣の吐息をより近くに感じるから余計にドキドキする。
しばらくの間、無言のままお互いの体温を感じあうと、そのまま私のおでこに高嗣の唇が触れて、名残惜しそうに離れる。
「淋しい?」
いたずらっ子みたいな顔で、私をのぞき込む。
「………うん///。」
思わず、そう言ってしまった。
「やっべ///…………Aちゃんが今朝は素直すぎて、可愛くて行きたくなくなるわ。」
そう言って笑われる。
「ゴメン………大丈夫だよ。」
「フフ……、いいじゃん。いつもそうやって素直な気持ち聞かせて?
で、淋しくなったら、遠慮しないでメールでも電話でもいいからして?」
「………うん。」
「わかった?約束ね!」
「ハイ………ありがと。」
「じゃあね。行ってきます!」
「うん………行ってらっしゃい。」
バイバイじゃなくって、行ってきますって言ってくれたことが………ちょっと照れくさくて、やっぱり嬉しい。
全部全部、、、私を淋しくさせないように気遣ってくれる高嗣の優しい魔法。
そして、パタリと閉じられたドア。
慌ただしく高嗣が出かけた後は、やっぱりどこか…ぽっかり穴が開いたみたいだけど、それ以上にあったかい気持ちがじわじわ湧いて来る。
さっきまで使ってたカップ。
座ってたソファー。
一緒に眠ったベッド。
カレンダーに書き込まれた“たかし”のクセのあるその文字と隣の顔文字をみると、この夜が夢じゃなかったことを教えてくれる。
それから、
「Aちゃんち用にするから!」って置いていったTシャツや下着///を片付けながら、、、こういうことが“幸せ”っていうのかな?……って噛みしめた。
レースのカーテン越しでも感じる、真夏の眩しい日差し。
やっぱり寝不足で、ふわーっと欠伸が出て眠気が襲ってくる。
すると、ピンポ〜ンって玄関のチャイムが鳴る。
高嗣が帰ってまだ数分も経たないのに……。
「どうしたの……忘れ物??」
思わず、モニターを見ずに玄関のドアを開けると………立っていたのは意外な人だった。
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めろん(プロフ) - ユーミンさん» ユーミンさん、いつもマイペース更新にお付き合いいただきありがとうございます!そうなんです、この2人には穏やかにゆっくり恋してて欲しいなって(笑)これからものんびりお付き合いくださいね♪ (2018年11月22日 10時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
ユーミン(プロフ) - お友達にバレたかな?どうかマスコミとかに漏れませんように。この2人は穏やかに愛を育んで欲しい。これからどうなるのかドキドキです。てこ、ニカちゃんカッコ可愛い。 (2018年11月21日 21時) (レス) id: 59b8f94fa2 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - ユーミンさん» 蒸し暑いとは!そうなんですね〜、日本は広い(笑)ニカちゃんと主人公ちゃん、これからもよろしくお願いします。 (2018年9月21日 17時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
ユーミン(プロフ) - 九州は蒸し暑いです。ニカちゃん達の、これからの発展が楽しみ〜。シャイな2人だけど、幸せになってほしいです。 (2018年9月21日 13時) (レス) id: 59b8f94fa2 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - ユーミンさん» ユーミンさん、あったかいコメントありがとうございます。これからもマイペースに頑張りますね♪そして、一緒にキスマイを応援しましょう!(^^)! (2018年9月11日 9時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2018年6月20日 17時