*6〜Side:2 ページ6
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細い肩。
彼女の斜め後ろをついていく。
何歳くらい?俺よりは上だよね。
でも、大人っぽく見えたけど話し声は意外に可愛らしくって、ちょっとギャップ。
大丈夫?って聞かれた以外は、お互い何にも話さないし。
つーか、おねーさんこそ大丈夫なの?
さっき泣いてなかった?
かといって、初対面でいきなりそんな踏み込んだこと聞けねーし、何話していいかわかんない。
でも、そんなこと考えてるうちに駅は意外にすぐ近くで、もう駅名の看板が見えてきた。
えっ………こんなとこまで来てたんだ。
どんだけ歩いてんだ、俺。
あっという間に駅の前について、
「ありがとうございました。」
って、ほんのちょっと後ろ髪を引かれる思いを感じながら、礼を言って別れた。
だけどそのすぐ後、あることに気付く。
どうしよう。
でも躊躇してる時間はない。
「あ、おねーさん!ちょっと待って!」
今、まさに改札を抜けようとしていた彼女を大きな声で呼び止めたから、周りにいた人まで一斉にこっちを向く。
やっべ………。
彼女は驚いた顔をして俺に気付く。
一歩踏み出すと、彼女も自分が呼ばれたことに気が付いて、恥ずかしそうにちょっと俯き加減でこっちに戻ってきてくれた。
「………ごめんなさい、呼び止めて。」
「どうしたの?」
「あの俺………やっぱ大丈夫じゃなかったみたい。」
「え………?」
「その………俺…………今、財布持ってなかった………。」
「……………。」
「ごめんなさい………あの、
………お金、貸してもらえませんか?」
さっき会ったばかりの人に、こんな事。
恥ずかしすぎて、顔に熱が集まってくのが自分でもわかった。
だけど、
「フフ………しょうがないなぁ。やっぱり迷子なの?」
そう言ってくすくす可笑しそうにしてお財布を出すと、千円札を三枚俺に差し出した。
「これで足りる?」
不審者扱いされたってしょうがないような俺のこと、笑ってくれてちょっとホッとした。
「あ、こんなになくても大丈夫。帰りの電車代だけだから……。」
「まあ、でも…何があるかわかんないし。」
「大丈夫………ありがと。」
お礼を言って、千円札を1枚だけ受け取る。
「あの………俺、二階堂って言います。明日、必ず返します。」
「うん、いつでもいいから。
それと………ゴメンね。おせっかいかもしれないけど…これ。」
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めろん(プロフ) - ATさん» ATさん、こんばんは!そうですよね。短期集中の指導ってきっと独特な距離感がありそう♪さらにそれが、お互い記憶に残る相手との再会だったら…。これから2人がどうなっていくのか見守って頂けると嬉しいです。よろしくお願いします!! (2018年4月19日 22時) (レス) id: e52504ed60 (このIDを非表示/違反報告)
AT(プロフ) - 自分のために一生懸命に教えてくれる先生って、師弟愛みたいのだろうけど絶対好きになっちゃうってUTAGE!を観てて思ってました。でももしそれが忘れられない相手だったら…師弟愛じゃなくてきっと恋に落ちちゃいますよね!続きがとっても楽しみです!! (2018年4月18日 21時) (レス) id: 47ef217b76 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - yndreamv0mm0vpqさん» コメントありがとうございます。思わず笑ってしまいました!ニカ担じゃないのに読んで頂けてすごく嬉しいです。ニカちゃんがもっとイケメンに思えてくるように頑張りますね(笑) (2018年4月12日 0時) (レス) id: e52504ed60 (このIDを非表示/違反報告)
yndreamv0mm0vpq(プロフ) - にかちゃんがイケメンに思えてくる。ニカ担に失礼か笑笑。もう早くくっついちゃえって感じ。ドキドキして待ってます。 (2018年4月11日 18時) (レス) id: 2cf497b2db (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - アシュさん» こんにちは。コメントありがとうございます!そんな風に言っていただけると嬉しいです。更新頑張りますね♪ (2018年3月20日 17時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2018年3月15日 16時