INNOCENT DAYS

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すぐ近くにコインパーキングを見つけて車を停めた…けど、ここからだとAちゃんちが見えない。



一旦車を降りて、マンションまで歩いてみる。



さっきのメッセージには、ずっと既読が付かない。





………つか、オレ何やってんだ。



いろいろ考えて、気持ちが昂ってここまで来ちゃったけど。



まだ少し冷たい夜の風に頭がクールダウンされたのか、ちょっと冷静になると自分のやってることが必死過ぎて笑えて来る。



今日はたまたま何か用事があって、もしかしたら帰ってこないかもしれないのに。



何でか、一瞬木崎さんの顔が浮かんできて困惑する。







今日はもう帰ろ………そう思ってパーキングの方にくるって向き直った時、遠くにこちらに向かって歩いてくる人影を見つけた。



とっさに、なぜかエントランスの植え込みの影に身を潜めてしまった自分に苦笑する。




あれは、、たぶんAちゃん。



さっきまで非現実的な世界を漂ってたみたいな気持ちが、急に現実に引き戻されたように心臓がバクバク言い出してる。





サングラスを外して、胸ポケットに入れる。



こちらに近付いてくる足音。




何か考え事してるみたいに、俯き気味に歩いてるAちゃんの前に出る。



「えっ………///？」



「Aちゃん、おそっ！不良だなぁ。」



「…………///。」



「ぼーっと歩いてると危ないよ(笑)」



鳩が豆鉄砲食らった…って、こういう顔？って位びっくりしてるAちゃん。



ま、そーだよね(笑)



「ちょ///……な、何してるの？こんな所で………。」



「何してるって、待ってたんだけど………Aちゃんを。」



何となく照れくさくって、キャップを深く被り直す。



「てかAちゃん、あれからずっと既読無視ってひどくね？(笑)」



「…………。」



驚いた顔してたAちゃんの表情が、急に歪む。



「え………Aちゃん？」



その大きな瞳にじわじわと涙が浮かんで来て、その一粒がぽろっと零れ落ちた。



マジ？



「何で泣いてんの？」



「………………。」



オレ、なんか泣かすよーなこと言ったっけ？



焦る気持ちと裏腹に、植え込みの脇のフットライトにぼんやり照らされてるAちゃんの泣き顔があんまりにも儚げで、綺麗で。





「………………どうした///？」






思わずこのまま抱きしめてしまいたい衝動をぐっとこらえて、




………………掌でAちゃんの頬を包み込んだ。





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