INNOCENT DAYS

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あれから1週間。



その後二階堂君からのメールは………ない。



というか、あのままどう返信していいかわからなくて、私の方が既読無視しちゃってる。



時間が経てば経つほど、なんて返していいのか考えすぎちゃって。



あの夜、何でもいいから勢いで返信しておけば良かったな。



メッセージもらってるのに、無視するなんて。




二階堂君のピアノ、すごく素敵だったこと…伝えたかった。




私だって、いろいろ刺激を受けたのに。









だけど………これでいいのかも。



もう仕事でも二階堂君との接点はなくなったんだし、気持ちを切り替えないと。



何となく、自分の中で二階堂君の存在が大きくなってること………気付かないフリしてたけど、ホントはすごく考えちゃってた。



“また連絡するね”



自分は返信してないくせに、何度も二階堂君からのメッセージを読み返して………心のどこかでまた、二階堂君からの連絡を待ってた。






バカだな、私。





ほんの少しだけ…ご縁があっただけで、、、もともと私なんかとは住む世界の違う人。




うん、、早く、自分の日常に戻ろう。







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ラウンジでのバイト、、今夜は木崎さんが来てる。



終わったら、今回の件のお礼に食事に連れて行ってくれるって。



ふふ、別にいいのに。





演奏を終えて、着替えを済ませて木崎さんの元へ。



カウンターで飲みながら、マネージャーと話しをしてる。



「お待たせしました。」



「うん。じゃ、行こっか。」





木崎さんが連れて行ってくれたのは、何度か一緒に来たことのある焼肉屋さん。



「たくさん食べろよ。」


「は〜い。」



私が音大を辞めて以来、何かと心配してこうして気に掛けてくれる木崎さんは、時にはお兄さんみたいだったり、父親みたいだったり(笑)………気兼ねなく、いろんな事を話せる。



「さっきマネージャーとも話したけど、Aちゃん、なんか最近いいことあった？」



「フフ………何ですか？それ。別にいい事なんて何にもないですよ。」



「そう？」



「ハイ(笑)何でそんな風に？」



「なんかさ、ピアノ…すごく良くなったから。」



「え…///そう…ですか？」



「うん。何だか音がイキイキするようになった。」



「そう………かな？自分ではよくわからないけど、なんか嬉しい(笑)


最近ね、練習ちょっと頑張ってるし。」




木崎さんに褒められて、頭の中になぜか二階堂君の笑顔が浮かんだ。



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