INNOCENT DAYS

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とにかく、びっくりした。


その日、スタジオに呼ばれて急に告げられた仕事の内容にも驚いたけど………ふと気付いたら、スタジオにAちゃんがいた。




え、どういうこと？


一瞬、頭が回らないくらい混乱した。


彼女もこっちを見て、ちょっと驚いたような顔してた。






ねえ、あの時の俺だよ。



俺のこと、覚えてっかな？



あの………Aちゃんなんだよね？




周りのスタッフさん達と何か話してたから、どうやらこのスタジオの人なんだということだけはわかった。


話しかけたかったけど、取材のカメラも入ってるし、今は仕事中。


この難しい課題に集中しなくっちゃダメだ。






次に気が付いた時は、もうそこにAちゃんの姿はなかった。






正直………何でか、すごく彼女のことが





気になる///。





だからって、誰にも聞けずにいたのに………思いがけず、ピアノを指導してくれる木崎さんの方から「さっき、ここにいた受付の女の子、知り合い？」って聞かれた。




「え、」



この場合、なんて答えるのが正解？



「あ、ゴメン。なんか名前呼んでた気がしたから、さっき。」



相手は別に芸能リポーターじゃないし、俺のこと詮索されてる訳じゃないよね。



ん？もしかして、逆にAちゃんの彼氏………とか？



「あ………何となく………昔の知り合いに似てる気がしたんで。」



一応無難な返事でしょ？



「木崎さんのお知り合いの方ですか？」



こっちだって、聞いてやる(笑)



「うん。大学の後輩なんだ。」


「へ―そうなんですね。」



無難に返されたし(笑)


後輩ってことは、彼女でもある可能性は残ってる………う〜ん。



「Aちゃんもね、同じように返事してたよ。」


「え……………。」


「昔、どうとかって。」


「………………///。」




たったそれだけのことなのにすっげえドキドキした。


俺のこと、覚えててくれたの？



「でも、キスマイ…って名前出したら、きょとんとしてた(笑)あの子、そういうの疎いから。」


「あちゃ〜。俺らもっと頑張らないと、ダメッすね(笑)」



そう言って、木崎さんと笑い合う。



うん、悪い人ではなさそう。



だけど、やっぱり木崎さんがAちゃんと親しそうなことには変わりがない事にちょっとだけ苛立った自分に気付いて、そんな自分自身にびっくりする。




「じゃあ、イントロからもう一回。」


「はい。」




今は、仕事に集中しなくちゃ。



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