あの日の未来へ...

story11　北山side ページ11

リビングのドアを開ける。


.


真っ先に目に飛び込んで来たのは
あの頃と全然変わっていないAの姿...。


.


.


俺を見るなり、挨拶をするA。


.


あ「北山さん、はじめまして。今日からチーフマネージャーになります。喜多川Aです。よろしくお願いします！」


.


ぇ...？はじめまして...？

Aは俺のこと、覚えてないのか？


.


.


俺は、Aが俺の前から消えた後も

頭の中、ずっとAだけだった。


.

Aを忘れるために、何回も他の女と付き合った。


でも、キスするとき、１つに繋がるとき

頭に浮かぶのはAばっかで...。


やっぱ俺にはAしかいないんだって...

痛いほどわかった...。


.


Aを見つけたら、もう絶対離さない。


もう一回自分の気持ちを伝えて、

一からやり直そう。


.


そう思っていた。


.


.

なのに、どうして...。


Aにとって、俺ってそんくらいの存在でしかなかったのか？


.


俺はただただAを見つめることしかできなかった...。


.


.


横「北山。ちゃんと挨拶しろ！」


.


ぁっ、そうだ。挨拶しないと。


.


.


北「北山宏光です。よろしく...。」


.


こういう時、普通は笑顔で挨拶しなきゃいけないんだろうけど...。


今の俺にはそんな余裕はない...。


.


ふと、Aを見ると...。


..................泣いてる？


.


なんで泣いてんの？


もしかして、俺のこと覚えてんの？


.


.

でも、覚えていたとして

泣いてる理由がわかんねぇ...。


そんなに俺に会いたくなかった...？

泣いちゃうくらい、俺のこと嫌い...？


.


.


そんなことを考えてたら

いつの間にか、目の前にAの姿はなかった...。


.


.

story12→←story10

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーきすメン

わたくし、宮田です。by宮田俊哉

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す