４つの物語 (ページ10)

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城を抜け出そう - ３ページ10

『みんなジョンデのことが好きなのね。』

「みんな優しいからねー。」

『どうかな。』

「ん？」

『ジョンデのことは好きだけど、隣にいる私のことは嫌いみたいね。』

「そんなこと…、」

『あるよ。』

「どうして？、」

『 …なんでわかんないの？いい？好きな人の隣に、見知らぬ女。その人はいつも好きな人の隣を歩いてるの。聞いても彼女とはなんともないただの友人だって。でも、会うとき会う時絶対隣にいるの、嫌じゃない？ちょっと意地悪したくならない？』

あんたは知らないかもしれないけど

買ったものがなくなったり、

明らかに私に向けての陰口。

私が気づかないとでも思ってるの？

ジョンデ、

あんたはどうして私を

こんな仕打ちに合わなきゃいけない

城の外へ連れ出すの？

『ジョンデ様、私は日課であるこの散歩が、大嫌いでございます。』

「 A、」

『 …帰りましょう、今日はもう。』

疲れるのよ、あんたといると。

「あ、ヒョンだ。」

「お、ジョンデ、A。」

散歩の帰り道は一輪の花を持った

ミンソク王子と必ず会う。

『ミンソク様、お一人ですか？』

「うん。ちょっと、花屋にね。」

「ヒョンは新しい花屋の向かいの店員さんとなかいいよね。」

「え？ああ、素敵な人だよ。頑張り屋さんで、お花が大好きで、家族思い。なんていうか、守ってあげたくなるんだよね。」

「確かに、それはなるね。」

毎回、花屋の女の子の話。

話を聞く限り、

ミンソク王子は彼女が好きらしい。

「 …なんか、二人喧嘩した？」

『え…？』

「なんで？？」

「気のせいだったらごめんね？なんかいつもより距離があるなーって。」

ほんと、何も言ってないのに

状況把握するの早すぎ。

喧嘩というか

私が一方的に言っただけで

ジョンデは何も悪くないんだけどね。

私は嫌われ者だから、

みんなに好かれるジョンデに

嫉妬してたの？？

『いえ、私が…、』

「そうなんだよね、ちょっと嫌な気にさせちゃってさ。俺のせい！」

『いや、あの、』

「俺らもう帰るから、ヒョンもあんま遅くならないようにね！遅くなるなら迎え呼んでよ？？」

「うん。ジョンデたちも、気をつけてね。」