４つの物語 (ページ9)

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城を抜け出そう - ２ページ9

「 Aー、散歩行くー。」

散歩は幼い頃から

ジョンデ王子の日課である。

正直

『私も行かなきゃだめ？』

私はこの散歩が

「もちろん♩ 」

嫌いだ。

「んー、やっぱ外はいいね！」

『どうせ行くところは決まってるでしょ。』

変装して、庶民を装う。

これは別に嫌じゃない。

むしろ、お互い素でいられるから

好きだ。

問題はここじゃない。

「あー、ここ前ミンソギヒョンが言ってたところだ。店員、女の人ばっかだね。」

『みんなあんたを見てるのよ。』

「えー？気のせいじゃない？」

『この店、向かいの花屋潰そうとしてんのかな？感じ悪い。やな感じ。』

「こーら、そんなこと言わない。」

「あっ！ジョンデさーんっ！」

でた。

「おー、アルム！」

苦手な町人その１

下町のカフェ店員、ハン・アルム。

おそらく年下。

色白で華奢で黒いロングの髪。

男はみんなこう言う子が好きだね。

でも私は嫌。

異性への激しいボディタッチと

近めの距離。

なんとなく許せないんだよね。

「今日もAさんとご一緒なんですね～、いいなあ、私ともデートしてくださいよお。」

「ははは、考えとくよ。」

なんて言って、

いつもうまいことかわしてる。

『人気者ね。』

「そんなことないよ。」

『満更でもないくせに。』

「 …言うねえ。」

「あ、おーい！ジョンデ！」

ほら、また。

「セラさん、こんにちは。」

苦手な町人その２

野菜売りのイ・セラ。

おそらく年上の

気前のいいお姉さん。

彼女、すごくいい人に見えるんだけど

やたら私への当たりが強い。

年上のくせに大人気ない。

「あんたたち、いつも一緒ね。ねえ、私の方がいい女だと思わない？包容力もあるわよ？癒し効果絶大じゃない？どう？」

確かにスタイルはいいと思う。

…胸も大きいし。

むかつく。

「はは、俺、割と中身重視するタイプなんで！」

ここもいつもスルー。

問題はここじゃないのよ。

帰る途中にある。