城を抜け出そう - １１ ページ18
「 …だろ！ 」
「 だってえ、 」
「 だってじゃない！ 」
「 ルハン、その辺に…、 」
「 クリス！お前はいつも甘すぎるんだ！ 」
…騒がしい。
目がさめると
いつもの城の部屋の天井。
そして
いつもの光景。
王子であるジョンデが
護衛兵のルハンさんに怒られてる。
そして、仲裁に入っているクリスさんも
ついでのごとく怒られている。
どれくらい寝ていただろうか。
体が重い。
『 もう少し静かにしてもらえませんか。うるさくて眠れません。 』
「 A！！ 」
『 わっ、ちょっ！ 』
気づいた時にはジョンデの腕の中。
抱きしめられていた。
『 何ですか、急に。 』
「 いなくなっちゃうかと思って。 」
『 いなくなりませんよ、お付きだと、何度言わせるんですか。 』
突然、何を言い出すのかと思えば。
ほんと、突拍子も無いな。
「 A、本当に何も覚えてないのか？ 」
不思議そうな顔して私を見るクリスさんと
なぜかドヤ顔をしているルハンさん。
『 え？なんのことですか？何かありました？ 』
「 いや、何も無いが…。 」
『 …なんですか、ルハンさんもクリスさんも、そんな顔して。 』
「 あ、いや、気にするな。ルハン、行こう。 」
「 え？ああ、うん。じゃあね。 」
どこかぎこちない2人。
それよりも
『 いつまでこのままでいる気？ 』
「 …あのさー、 」
『 うん？ 』
「 …いや、やっぱりなんでもない！ 」
『 え、何、言ってよ。 』
「 うーん…。 」
なかなか要件を
言おうとしないジョンデ。
そんな彼を思わず急かす。
『 焦れったいなあ、何？ 』
すると
考えても見なかった言葉が返ってきた。
「 やっぱり、吸血鬼だったんだね。 」
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作者名：＊＊＊
| 作成日時：2018年2月13日 0時
