【A3!合作短編集】キスの所為 (ページ6)

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願いの裏返し*2 ページ6

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皇天馬様と書かれたプレートのある部屋をノックする

中からは何も聞こえない、ちゃんと連絡しておいたのにまさか見てないのだろうか

改めてLIMEを確認すると『わかった、待ってる』と。

そうなると可能性はひとつだ

私はそっとドアを開ける。
思った通り、
天馬は、六畳ほどのやや小さい部屋の壁に寄り掛かるようにして、寝ていた。

芝居をしているときとは全く違う幼い感じ、

きっと仕事ばかりで疲れているんだ
彼はこれからもっと人気になるに違いない。

身勝手なこの感情で、それを邪魔しちゃいけない。

彼の傍にそっと座り髪を撫でた。
ふわり柔軟剤の香りがして距離の近さを実感した。

好きだと伝えるつもりでいたんだけど、やっぱり無理みたい。

ただ、今だけは自分に素直にならせてほしいな。

時間なんて止まってしまえば良いのに、

世間の目なんて無くなれば良いのに、

起こさないように、ゆっくりと、

あなたの髪にきすをした。

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作者名:音猫
キスの位置と意味: 髪で意味は思想
他作品:いや夫婦じゃないです【黒尾】 (長い間更新してません:-()